春になり良き名医が近辺から辞める例が後を絶たない。人事意や体制への不満か?詳しい理由はわからないが多すぎる!
名大病院救急医9人が退職 体制半減、受け入れに影響も
2016年3月30日 朝刊 中日新聞
名古屋大病院(名古屋市昭和区)で救急搬送患者らに対応する救急科の医師二十一人のうち九人が、三月末で一斉に退職することが、病院関係者への取材で分かった。
四月以降に退職する意向を示す医師もおり、医師がほぼ半減する異例の事態となる。
職場環境への不満や救急医療の方針への反発が、退職の理由とみられる。
他の診療科の協力で救急患者受け入れは継続するが、規模縮小は避けられない見通しだ。
名大病院は複数の外部識者を交えた調査委員会を設置し、こうした事態が生じた経緯を調べる。
名大病院は、他の診療科の医師の応援を得るほか、当面は、医師の当直回数を増やすなどして、救急対応を継続する方針だ。ただ、救急搬送が複数重なった場合など、受け入れきれずに、他の医療機関に回さざるを得ないケースも想定される。
長期的な態勢の再構築も不透明だ。
退職する九人は、九州など出身地の医療機関に移ったり、名古屋市内や東京都の別の病院に移ったりする。
退職する医師の一人は取材に対し、
「明らかに理不尽と感じる方針を押しつけられ、他の診療科とあつれきが生まれる場面も何度もあった」
と、職場環境が要因だったと明かした。
一方、指導する立場の救急科の教授は
「各医師の人生設計やキャリアアップが主な理由だ」
と説明し、
「どんな職場でも不満は生じる。現状をどう感じるかは各医師次第だが、全国的に救急医の数を増やさないと根本的な解決にはならない」
と話す。
名古屋市消防局によると、二〇一四年の救急搬送件数は約十万三千件。名大病院は同年、約四千二百台の救急車を受け入れている。
〇九年度は千台余りだったが急増した。高度先進医療に対して、救急部門は遅れがちで、六年ほど前から、重度の患者を常時受け入れられる「救命救急センター」を目指し強化してきた。病院幹部は
「この傾向に無理があったのかどうか。原因はどこにあるのか。客観的に検証するため外部識者を招いてきちんと調べ、適切な組織のあり方を探りたい」
と話した。
今回の事態に関し、救命救急センターを備える名古屋市内の別の病院幹部は
「市内には、救急搬送の受け入れ医療機関が充実しており、大きな影響は出ないだろう」
と話した。