デジタル教科書
20年度導入へ 紙と併用
20年度導入へ 紙と併用
2016年4月22日 毎日
タブレット端末などを使った「デジタル教科書」の導入を検討する文部科学省の有識者会議は22日、紙の教科書とデジタル版を併用し、学習内容に応じて一部の授業ではデジタル版のみを使うことを認めるとの報告書案を提示した。
次期学習指導要領が実施される2020年度からを想定。将来的には、紙とデジタル版のいずれかだけを使う選択制も検討する。
報告書案は、音声や動画などを盛り込めるデジタル版は、特に英語や理科で学習効果が見込まれると指摘。
紙を主たる教材として使い
(1)副教材でデジタル版を使用
(2)単元など一部の授業で紙の代わりにデジタル版のみを使用
−−の二つを認める。
教育効果や健康への影響などを調査した上で、将来的には紙とデジタル版の「選択制を排除すべきではない」とした。
学校教育法は、小中高校では検定に合格した教科書を使用する義務があると規定。
紙とデジタル版の内容を同一にすることで、紙のみを検定し、デジタル版は音声や動画を含めて実施しない。選択制を導入する場合は、デジタル版の検定方法などを検討する。
小中学校の紙の教科書は無償だが、併用段階ではデジタル版は無償としない。
ただ、教材費として保護者負担となる可能性があるため、可能な限り価格を低く抑えた上で、負担軽減策の必要性を訴えた。中長期的には無償措置の対象とすることも検討する。
有識者会議は6月に報告書を取りまとめる予定。
(共同)