困った問題である。電球型の信号機は色がはっきりとしていて見やすいがLEDは角度を変えるととても見えにくい。光量が少ないのだ。
LED信号、雪が大敵 県内の半数に普及、有効策なし
2017年2月3日 中日新聞
省電力などを理由に県内でも普及の進む発光ダイオード(LED)信号機が、降雪時に
「見えにくい」
との声が上がっている。
LEDは従来の電球型と異なり発熱量が少なく、表面に付着した雪が溶けにくいためだ。
県警も課題として把握しているが、手作業による雪の除去しか有効な対策がないのが現状という。
彦根市でも積雪が六〇センチに達するなど、湖北・湖東地域を中心に県内が大雪に見舞われた一月二十三~二十四日。豊郷町内の国道8号高野瀬交差点ではLED信号機に吹き付けられた雪が凍っていた。
赤信号は縁がかろうじて光って見える程度。右折信号は点灯しているかどうかも分からない。
LED信号機は、耐久性や省電力などに優れ、東日本大震災を機にいっそう注目されるようになった。県では二〇〇三年から導入が始まり、昨年三月末時点で、県内二千四百二の信号機のある交差点のうち、約56%をLEDが占める。
LED信号機が普及するにつれ
「降雪時に見えにくい」
との苦情が届くようになった。
一月の大雪時には、同様の苦情が豊郷町役場と彦根、甲賀、木之本署で合わせて少なくとも五件あった。
苦情があれば、管轄の署員が出動し棒で雪をはたき落としたり、ふき取ったりして対応する。
場合によっては契約業者に除去を依頼するという。
雪国を中心に対策が進みつつあり、おわん型の着雪防止フードがついたLED信号機や、真っ平らで雪のたまる箇所がなく、雪が落ちやすいよう斜めに設置するフラット型も登場している。
日本で最も積雪の多い県の一つの青森では県内の信号機の44%がLEDだ。
青森県警によると、これまでさまざまな種類のLED信号機を導入し、風向きや雪質などを踏まえて最も有効な機種を判断。現在は新たな設置に限らず、更新時期が来た信号機も順次、最適の機種に換えているという。
一四年からは、同県警が主導して研究機関などと開発チームを設置。問題解消のため、着雪の仕組みを調査しながら、改良型の開発と普及を目指しているという。
滋賀県警も複数種のLED信号機の導入などを試みているが、年間降雪量が多い青森などに比べ、対策は遅れ気味だ。県警交通規制課は
「自然が相手なので、これといった決定打がない」
と話す。打開策が講じられるまでは
「信号が全く見えない場合は、十分に安全を確保してから一一〇番や署への電話で知らせてほしい」
と求めている。
(高田みのり)