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LiBのエネルギー密度競争

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リチウムイオン電池、京都で競争 三洋化成や新規参入組も
 
2017年07月21日 09時38分   京都新聞
 
リチウムイオン電池(LiB)の性能向上を巡る競争が、京都でも激しくなってきた。三洋化成工業は20日、電気容量を2倍以上に増やす技術の確立にめどがついたと発表。
 
村田製作所や第一工業製薬といった異業種からの進出も相次いでおり、既存の蓄電池メーカーであるGSユアサも高容量製品の開発を急いでいる。
 
 三洋化成工業は、LiBの中に組み込まれているシート状の電極(正極、負極)の厚みを、現在の限界とされる0・2ミリ程度から数倍以上にできる要素技術を開発した。
 
厚みが2倍になれば単位面積当たりの電気容量も2倍になるため、蓄電システムのコンパクト化につながるという。
 
 約10年前から大学などと共同研究を進め、今回初めて成果を公表した。
 
2020年をめどに住宅や工場、ビルなどの定置用電源として商品化を目指す。
 
スマートフォン用バッテリーなどの一般商品向けの展開も見据える。
 
 昨年秋には、電池開発用の新施設を愛知県半田市の衣浦工場に5億円かけて建設しており、
 
「大型ビジネスとして将来の収益の柱に成長させたい」
 
(広報部)と強調する。
 
 電子部品大手の村田製作所も、9月1日に完了するソニーの電池事業の買収を機に、産業用LiBの開発を加速させる。両社の技術を生かし、電池の小型化や軽量化、容量増大に取り組む。
 
 成長が見込まれるエネルギー分野の中核事業に育てる計画で、住宅向けのほか、携帯電話や電動工具などでの需要を狙う。
 
電池事業単体で18年度に黒字化、20年度には売上高2千億円を目指す。
 
 第一工業製薬は昨年末、LiBの少量生産を行う子会社エレクセルの本社を、事業拡大に向けて京都府精華町から三重県四日市市の工場内に移した。特殊用途のLiBの需要が増えるとみて、新拠点で材料開発などを進める。
 
 一方、GSユアサは、車載用LiBのエネルギー密度増加を目指している。
 
正極の物質組成の変更などで20年には15年ごろと比べてエネルギー密度を2倍に、25年ごろには3倍に増やす計画だ。
 
 今後、電気自動車の普及や住宅用蓄電池の需要増加などで世界の蓄電池に占めるLiBの割合は高まるとみており、自動車用LiBで培ったコストダウン技術などで産業用途でも収益拡大を図る。

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