冬、餌場で強いのはゴジュウカラ、慎重なのはシジュウカラ、小柄なのに勇敢なのはコガラ。シジュウカラにの10くらいの鳴声をマネできるようになってきた。
暑いのに秋の空であるが、高い山々からシジュウカラが集団で麓に降りてきて、様々な鳴声で挨拶をしコミュンケーションしている。まもなく谷地で鳴声の練習中のウグイスの子も南へ帰るであろう。晩夏から初秋の頃の到来も真近。
昔の老人たちは研究などしなくても様々な鳴声でシジュウカラなどを呼び寄せていたという。木の枝とネジの呼び鳥笛もアメリカなどで販売している。
大学の2回の居室でシジュウカラにヒマワリ種を与えていた頃、美しい声でなく歌姫のシジュウカラがいたことを思い出した。うれしい、楽しい、美味しいと毎朝鳴いていた。
春になったと美しく鳴くコガラの声も美しいものである。
シジュウカラに高いリスニング力 京大、鳴き声分析し解明
2017年7月28日 01時00分 中日
小鳥「シジュウカラ」は異なる意味を持つ鳴き声を組み合わせて仲間同士でコミュニケーションを取り、鳴き声の組み合わせが初めて聞くものであっても、意味を理解できる―。
こんな研究結果を京都大生態学研究センターの鈴木俊貴研究員のチームが、27日付の米科学誌電子版に発表した。
人は、初めて見聞きする会話や文章をすぐに理解できるが、人以外で確認されたのは初。「他の霊長類でも確認されておらず、人の言語の進化過程解明に役立つ」としている。
チームはこれまで、シジュウカラが捕食者を察知した際、「ピーッピ(警戒)・ジジジジ(集合せよ)」という順で鳴くことを明らかにしてきた。
(共同)
シジュウカラの鳴き声に文法? 京大、言語研究に一石
2017年07月28日 08時36分 京都新聞
人間だけでなく鳥類のシジュウカラも独自の「文法」を持ったコミュニケーションをしている可能性の高いことを、京都大生態学研究センターの鈴木俊貴研究員らが明らかにした。
自然にはない鳴き声の組み合わせを人工的に作って聞かせても、文法に従っていれば意味を理解し行動に移したという。
米生物学誌に28日、発表する。
シジュウカラは約170種類の鳴き方をするとされる。
このうち「ピーツピ」という鳴き声は周囲を見回し警戒する行動につながり、「ヂヂヂヂ」は仲間を呼び寄せる時に使う。
鈴木研究員のこれまでの研究では「ピーツピ・ヂヂヂヂ」という鳴き声では警戒しながら仲間が集まる一方、「ヂヂヂヂ・ピーツピ」では何も行動に移さないことを確認。
シジュウカラは文法に沿って、複数の鳴き声を組み合わせている可能性があると考えていた。
ただ「ピーツピ・ヂヂヂヂ」の背景に文法はなく、単一の鳴き声として理解されている可能性は、排除できなかった。
今回の研究では、文法の存在をさらに明確に示すため、シジュウカラと一緒に群れを作ることがあるコガラに着目。
コガラは「ディーディー」という鳴き方で仲間を呼び寄せる。シジュウカラはこうした鳴き方はしないが意味を理解し、声を聞くと集まってくる。
長野県軽井沢町で昨年11月、野生のシジュウカラ計28羽に対して、録音を組み合わせて作った「ピーツピ・ディーディー」と「ディーディー・ピーツピ」の2種類の人工の鳴き声を90秒間聞かせた。
結果、シジュウカラは前者でだけ、警戒しながら音源に近づいてきた。
別の実験でシジュウカラが「ヂヂヂヂ」と「ディーディー」を聞き分けていることなども判明。
こうした事実から、「ピーツピ・ヂヂヂヂ」と「ピーツピ・ディーディー」は、単一の鳴き声としてではなく、文法に沿った複数の鳴き声の組み合わせとして理解されていると結論づけた。
鈴木研究員は「人間の言語の成り立ちを考える上で、貴重な成果と考えている」と話す。
今後、シジュウカラの近縁種へ研究の幅を広げ、文法を用いたコミュニケーションの進化の過程を解明したいという。