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浜松小学校群の大規模集団ノロ感染

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パンからの感染らしい。原因菌はノロウイルス遺伝子型GIIという。
 
浜松、ノロ集団感染疑い 「過去に経験ない規模」 静岡
 
2014.1.17 02:59    産経
 
 ■子供の健康管理に最善
 
 浜松市内の小学校で16日、嘔吐や下痢などの症状を訴えて欠席した児童や学校職員が相次いだ問題で、同日会見を開いた浜松市は、ノロウイルスによる感染症の可能性が高いことを発表した。同市の担当者は
 
「過去に経験したことがない規模のもので、子供の健康管理に最善を尽くしたい」
 
と語った。
                   ◇
 
 嘔吐や下痢などの症状を訴えて欠席した児童や学校職員が出たのは、浜松市東区が
 
有玉、
中ノ町、
大瀬、
中郡、
積志、
笠井、
与進、
和田東、
豊西
 
の9校、同市中区が
 
上島、
東、
鴨江、
双葉
 
の4校、同市南区が
 
白脇
 
の1校で、計14校。欠席した児童数が最も多かった中区の上島小では、158人の児童が欠席。
 
また同区の東小では、1クラス32人のうち17人が欠席したという。
 
同市教委はインフルエンザの流行が疑われる与進、白脇の2校については17日まで学級閉鎖とし、残る12校に対してはすべての学年・クラスで横断的に欠席者が発生していることから、17日まで学校閉鎖の措置を取った。
 
 学校への立ち入り調査を行った同市保健所によると、16日午後6時現在で5人の児童からノロウイルスの陽性反応を確認した。17日以降も学校職員を含めて検査を行い、原因や感染経路など特定していく方針。
 
また欠席児童がでた学校に対しては、次亜塩素酸ナトリウムによる蛇口や手すりなどの消毒を行った。
 
市保健所の西原信彦所長は
 
「ノロウイルスはアルコール消毒では殺菌できない。感染した人の吐瀉物を処理する際にはゴム手袋やマスクを着用してほしい」
 
と話した。
 
 同市教委の調査によると、欠席児童が出た小学校は、いずれも自校で給食を調理。
 
食材は公益財団法人県学校給食会を通して仕入れているが、給食の献立は各校で異なるという。
 
給食の調理では十分な加熱処理をしていることから、食材を介したノロウイルスの感染は考えにくいという。同市教委保健給食課の寺田聖子課長は
 
「感染経路についてあらゆる可能性を考えるとともに、さらなる蔓延を防ぐ安全対策をしっかり取っていきたい」
 
と話した。
 
 
ノロウイルス遺伝子型GII/4の発生動向
 
 nihs.go.jp/fhm/fhm4/fhm4-nov015
 
近年GⅡ/4と呼ばれる特定の遺伝子型のノロウイルスが世界各地で流行し,多くの集団発生を引き起こしていることが明らかになっています。
 
さらに,GII/4に属するノロウイルスには毎年ないし数年おきに新しい変異株が出現することも示されています。
 
従来ノロウイルスは,国内に限っても検出される遺伝子型が必ずしも全国一様ではなく,地域で流行している株が集団感染や食中毒を起こしていると考えられていました。しかし,少なくても近年のGⅡ/4に関しては世界規模で流行を起こしています。
 
わが国でも2003年以降GⅡ/4の検出が増加していましたが,流行株の主流を占めるもののその一部に過ぎませんでした。
 
しかし,2006/07シーズンはこのGⅡ/4が大流行しました。国立感染症研究所感染症情報センターのウイルス検出報告数を基にすると,検出ノロウイルスの約90%以上はGⅡ/4であったと推定されます。このように特定の遺伝子型のノロウイルスの検出が多数を占めることは,遺伝子型別が行われるようになって以来はじめてのことでした。さらに遺伝子系統樹分析から2006/07シーズンに検出されたGⅡ/4は大きく3グループに分類され,各地で主流であったタイプは過去の流行では検出されていない2006bと呼ばれる新型であることが明らかにされています。
 
すなわち,2006/07シーズンの主流株GII/4 2006b変異株は出現とともに世界各国に拡がり,国内に侵入後わずかの間に全国各地で大流行を起こしたと考えられています。
 
そして,2012年の冬季,再びノロウイルスによると思われる感染性胃腸炎やノロウイルスによる集団感染事例や食中毒事件が多発しています。
 
その原因の一つとして,2006/07シーズンと同様に,遺伝子型GII/4の変異株が新たに出現し,それが急速に全国に広まっていることが推察されています。我々のとりまとめによると,この変異株は北海道,大阪市で1月に採取された検体から最初に検出され,これまで全国各地で検出されています。10月以降急激に報告地域が増加しており,今後もさらに多くの自治体から検出報告があるものと予想されます。
    
 
ノロウイルス遺伝子型GII/4の特徴
 
遺伝子型GⅡ/4のノロウイルスが世界的に流行したり、多くの食中毒や集団感染を引き起こす理由として、以下のことが考えられます。
 
(1) ノロウイルスGII/4は変異しやすい

遺伝子型GII/4のノロウイルスは他のノロウイルスと比較して、変異を起こしやすい特徴があります。2006/07シーズン以降をみても、GII/4には毎年ないし数年おきに新しい変異株が出現しています。
 
ノロウイルスの変異は常に生じており、その変異は、流行の規模、ウイルスの感染力あるいは病原性の変化に必ずしも結びつくものではありません。しかし、その変異がウイルスの感染性や宿主の免疫に影響を与える場所に生じた場合は、流行拡大につながる場合があります。
 
2006/07シーズンに大流行したGII/4の変異株である 2006bには、ウイルス構造蛋白質の表面の、腸管細胞に付着する部位付近に変化があることが明らかになっています。そのため、過去に遺伝子型GII/4に感染したヒトでも免疫が十分に機能せず、
 
多くのヒトにとって2006bタイプのGII/4はこれまでに感染したことのない新しいタイプのウイルスとなり、多くのヒトが感染したものと考えられます。
 
2012年に出現した変異株については、今後の詳細な分析の結果を待つ必要がありますが、同様のことが生じている可能性は少なくないと考えられます。
        
(2) ノロウイルスGII/4は感染力が強い

ノロウイルスは腸管に付着する際,細胞表面に発現する組織血液型抗原を利用し、かつノロウイルスの種類によって利用する組織血液型抗原に違いがあると考えられています。
 
組織血液型抗原とはABO式血液型、ルイス式血液型に関与する糖鎖抗原で、赤血球のほか,胃,腸,膵臓など多くの臓器や唾液などで発現しています。
 
赤血球以外の組織や唾液でのABO式血液型抗原の発現にはFUT2と呼ばれるフコース転移酵素が関与し、不活性型FUT2ホモの個体では発現しておらず、非分泌型個体と呼ばれています。
      
ノロウイルスの代表株であるノーウォークウイルス/68は、分泌型個体では感染が成立しますが、非分泌型個体では感染が成立せず、また、血液型でみるとO型のヒトの感染率が高く、B 型では感染率が低いことが報告されています。
          
一方、遺伝子型GII/4のノロウイルスは他の遺伝子型と比較して、結合できる組織血液型抗原の種類が多く、またそれぞれの組織血液型抗原への結合力も強いことが示されています。
 
そのため、ノロウイルスの中で、GII/4は最も感受性者が多く、また、感染力が強いウイルスであると考えられています。
    
 
 
 
 
 

 

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