ホーキング博士 70 歳、余命数ヶ月の宣告から 50 年をどう生きてきたか
10 ストーリー by reo 2012年01月11日 11時30分 science.slashdot.jp
まだまだ生きて下さい 部門より
cheez 曰く、
先日の /.J 記事でも触れられていたが、今月 8 日に英ケンブリッジ大のスティーブン・ホーキング博士は 70 歳となった。博士は 12 の分野における名誉学位、大英帝国勲章第 3 位、そして米国の自由勲章を授けられている。
類稀なる能力を発揮している人物である彼は 1963 年には運動ニューロン疾患 (MND) と診断され余命数ヶ月を宣告されていた。
10 年以上の生存率は 5 % であるというこの病を持つ彼の人生について、博士の 70 歳の誕生日に BBC News の記事で紹介されている 。
筋萎縮性側索硬化症と診断された当時、21 歳のホーキング博士にとってその症状の現れと病名は大きなショックであったであろうが、同時に彼の未来を形作るのに一役買ったのも事実であった。
「将来には暗雲が立ちこめていたが、驚くべきことに今という時を以前よりもずっと楽しんでいる自分がいた」
と博士は言う。この時期は研究も進み、ジェーン・ワイルドという女性と出会い婚約した時でもあったとのこと。特に婚約は彼の生き甲斐となり、人生を変えた大きな出来事であったという。
もう一つの生き甲斐は彼の仕事である研究だ。70 歳となった彼はいまもケンブリッジ大学で研究を続けており、最近もまた新たな著書を発表したばかりである。博士曰く
「同僚からの扱いは他の人と何ら変わることはない。自分の意思を伝えるのを待ってもらう時間などの現実問題以外は」
とのこと。現在は 3 人の孫がいるという彼はまた、特別機に搭乗して無重力状態を自ら体験したりするなど新たな挑戦も続けている。
「私に備わっている非常に限られた身体能力と、私が取り組んでいる宇宙というものが持つ広大な性質との対比は人々の心を捉えるようだ。私は身体的に障害のある天才の典型であると言えよう。身体的に障害があることはまぎれも無い事実であるが、天才かどうかは議論の余地のあるところだろう」
と博士は述べている。