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知能と学業成績も遺伝する??

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心も血統ですよね。誠に血にない歌は歌えないのである。それを自覚して生き抜くと強くなれる。知能や成績だけでは武器ではあるがうまくは生きれまい。
 
さて音楽や数学では心の遺伝は有名。Bach一族やスイスのバーゼルを中心としたBernoulliベルヌーイ家など。牧師さんの家系などでも数学者や文学者が多い。スイスの心理学者ユングのお父さんも厳格な神父、母親は情熱的な女性。
 
私は両親がいなくて厳しい状況で子供時代を過ごしたが(父は東京神保町旗本、母は京都吉田神道)、大学教員になれたのは努力ではなくて遺伝??先祖のお陰はあるかも知れぬが、努力なしの怠惰ではなし得ないのではないかな。
 
子供時代は友人らのように非行に走りたくてもできないのが悩みであった。心の奥に立派であれといつも声があったのである。
 
金沢工業大学 応用化学 小松勇教授

「父は小松勇作といって、旧制金沢医大から東大数学科に進んだ数学者で、専門書も多数著しています。東工大の教授になり、図書館を初めて造ってその館長も勤めました。母親の兄は矢野健太郎といって、やはり数学者で数学の入門書を多く書いてます」
 
日本の数学の発展も江戸時代の和算の積み重ねがあるからできたのである。伝統と遺伝。発展途上国のインドの発展も古代~中世の数学研究のお陰である。アメリカ科学の場合は欧州人をそのまま移入したからなし得たわけだ。アフリカ、日本以外のアジアでは無理なわけである(アフリカ批判のワトソン博士は追求されて、所長引退)。

 残酷な「遺伝の真実」あなたの努力はなぜ報われないのか
  
 知ると後悔するかもしれない…
 
   2017.11.15   gendai.ismedia.jp    安藤 寿康
 
知能と学業成績に関する残酷な事実
 
行動遺伝学の知見には、世の中のタブーにふれるものが少なくない。
 
その最たるものが知能と学業成績に関する残酷な事実だ。
 
行動遺伝学が扱ってきた心理学的な特徴の中で、知能と学業成績は、最も遺伝の影響が大きい特徴のひとつである
 
 遺伝率(後述)は60~70%ほど。身長や体重の遺伝率が90%くらいだから、そこまでは高くないものの、パーソナリティや喫煙や飲酒などが50%程度と比べると明らかに高い。
 
イメージ 1
 
 
遺伝が60%なら環境も40%はあるのだから、そこに救いがあるだろうと思いたくなるだろう。
 
確かに環境の影響もほぼ遺伝の影響に拮抗する。
 
ふつう双生児のデータを分析すると、あらかたの形質でこの環境の影響の由来は、一人ひとりがたまたま出くわす偶然の環境に帰することができる場合が多く、それは家族内で共有されない。

 それどころか一卵性双生児のきょうだいですら、一人ひとりに異なる個性的な環境であることが大きいことが明らかにされている。
 
しかしこの知能と学力に関しては、家庭環境によるきょうだいの類似性も大きく、その割合は20~30%程度になる。
 
これはたとえば遺伝的資質は同じでも、親が子どもに知的な刺激や勉強に集中できる環境を与えているかどうかで、大きく変わることを意味する。
 
だから親にとってみれば、まだまだ子どもの知能や学力をなんとかする可能性の余地がある。
 
だがそれはあくまでも親しだいだ。
 
 遺伝要因は子ども自身にはどうすることもできない
 
その上、親も家庭環境も子どもが自由に選ぶことはできない
 
子ども自身にどうしようもない要因で、学業成績の80~90%が説明されてしまうのである。
 
にもかかわらず、学校でも塾でも親からも
 
「できないのはおまえのせいだ。努力不足だ、勉強の工夫が足りない、やる気がない。だから成績が伸びないのだ」
 
と成績の出来不出来の責任を子ども本人に押しつけている。
 
こんな不条理があるだろうか。
 
実のところ知能と学業成績に関するこの知見は、1963年にそのときすでに30以上あったさまざまなの知能の血縁相関に関する研究をまとめた先駆的論文(Erlenmeyer-Kimling & Jarvik, 1963)以来、行動遺伝学の歴史の中で常に明らかにされつづけている頑健な知見だ。私たちの行った双生児研究はじめ、日本の研究でも再現されている。
 
しかしこの知見が世の常識にはなっていない。
 
むしろその正反対の知識観や学習観、つまり
 
 
「学力は努力と環境しだいでどこまでも向上できる」
 
という考え方のほうが一般的だろう。
 
スポーツや音楽などの特殊な才能で頭角を現すことのできない一般庶民にとって、万人に開かれた成功への手形は「学歴」しかない。
 
そこに希望を託すには環境信仰と努力信仰にすがるほかないのだ。
 
行動遺伝学の知見は、庶民の希望の光に分厚い暗雲をもたらす。
 
行動遺伝学者であり教育学者でもある私も、この知見には打ちのめされた。
 
そしていまも打ちのめされ続けている。この知見は二重の意味で残酷だからだ。
 
つまりまず第一に、今述べたように、これを知らせれば、学力不振に悩みながらも努力を続ける多くの国民の希望を奪うという残酷さ。
 
そして第二に、もしこれを知らせなければ、学力や学歴の差からくるさまざまな社会格差が、かなりの部分遺伝による(これも事実だ)にもかかわらず、その優生学的状況に気づかされずに、ひたすら苦しい学力向上のための「努力」を、国民は無知のままに強いられ続けるという残酷さである
 
しかもこの状況を不条理と非難したところで、それを解決する方法は遺伝子を変えるか、親を変えるしかなく、現実的にはありえない。
 
その上、この事実を受け入れたとたん、もともと勉強のできる人は
 
「なぁんだ、じゃあがんばって勉強する必要なんかないんだ」
 
と慢心し、できない人もやはり
 
「なぁんだ、じゃあ努力しても仕方ないんだ」
 
とあきらめるだけである。
 
かくして、この知見が世の常識になると、日本人はだれも努力しなくなってしまう。

日本人の「努力信仰」

ここに教育のパラドクスがある。
 
実はこの知能や学業成績の「遺伝率60%、環境40%」は、学力が遺伝ではなく環境によるものであり努力によるものであるという、今の多くの人がもつ努力信仰の下に成り立っていると考えられるからだ。
 
学校教育が、初等レベルから国民全体に行き届くようになったのは、たいていどの国でも19世紀の中ごろからである。
 
それまでは身分、出自、家業によって受ける教育(「教育」という言葉ですら呼ばれていなかった子ども期のしつけや生業のための見習い訓練などまでふくむ)は異なっていた。
 
だから国民一人ひとりのもつ知識の差の多くは環境要因で説明されていたはずである。
 
 しかしわが国では明治維新をきっかけに成立した学制のもとで、村に不学の子がいないようにと、全国津々浦々まで小学校、中学校を配備させた。
 
そして校舎と職業教師とさまざまな読本などの教材を通じて、読み書きそろばんから文学・芸術・スポーツや、一生行かないかもしれない全国各地・世界各国の地理風俗・言語、さらには一生使わないかもしれない高度な科学的な知識まで、原則として国民すべてに開かれた。
 
日本人はこの新しくできた学校制度という環境の変化にいち早く適応し、もともと勤勉だった国民的性格が幸いして、立身出世のための手段として、誰もができる(はずの)「学校で努力する」という道をともに歩むようになった。
 
かくして現行の日本国憲法が謳うように
 
「すべての国民が、その能力に応じて、ひとしく教育を受け」
 
るようになった結果、文字通り
 
「その生まれつきの能力に応じ」
 
て学力格差を生んでいるというわけである。
 
このような見るからに絶望的な悲喜劇的状況に対して、目をつむるのでもなく、仕方ないとあきらめ思考停止するのでもなく、またそれでも40%の環境要因に「学力向上」の希望を託すだけで安心するのでもない(なぜならそれは遺伝的素質のない人ほどある人以上に努力や教育投資をしなければならないから、現実は安心などできないのだ)、別の考え方、もっと希望のある、そして現実的な考え方はできないのだろうか。
 
 「遺伝の影響が60%」の意味

ここで、そもそもなぜ学力の遺伝の影響が60%と計算できるのか、その数値にどんな意味があるのか説明しておこう。
 
遺伝の影響が60%とは、テスト得点が80点だったとき、その60%にあたる48点までは遺伝で取れ、残り40%ぶんの12点を環境が補ったというような意味では全くない。
 
それはある集団の成員の「ばらつき」を説明する割合である。
 
「ばらつき」というのはややなじみのない概念だと思うので、「2階建ての建物の高さ」の比喩で考えてみよう。
 
この建物の高さを決めているのは1階だろうか、それとも2階の高さだろうか。この問いがナンセンスであることはすぐにお分かりいただけるだろう。
 
「2階建ての建物の高さ」は「1階の高さ+2階の高さ」なのであって、その両方がそろって初めて全体の高さが定まる。
 
しかしここに5軒の2階家があり、1階の高さは3mで一定、2階の高さだけが2mから4mのあいだでばらついていたとしたとき、この5軒の高さの「ばらつき」を決めているのは1階だろうか2階だろうか、という問いであれば意味がある。
 
これは100%、2階の高さで決まっている。つまり2階率100%だ。今度は逆に2階の高さが3mで一定、1階の高さだけが2mから4mのあいだで散らばっていたとしたら、これら2階家の高さの「ばらつき」における「1階率」は100%、「2階率」は0%ということになる。
 
ここで1階も2階も、同じように2mから4mのあいだでランダムにばらついた組み合わせからなる5軒の2階家の高さについて考え見ると、1階も2階も同じ程度に散らばっているので、だいたい1階率も2階率も50%ずつくらいとなる。
 
また1階のばらつきは2mから4mと2mの幅だが、2階のばらつきはその半分で2.5mから3.5mと1mの間しかないとしたら、1階対2階の比が2:1となり、1階率がおよそ67%、2階率がおよそ33%となる。
 
遺伝と環境の割合も、おおむねこうした関係をイメージしてもらえばよい。
 
この世に生きる人たちは遺伝要因でも環境要因でもばらついていて、その特定の組み合わせがその人を作っている。
 
その出来上がったもののばらつきの中で、遺伝要因によるばらつきと環境要因によるばらつきが、それぞれ何%ずつかを問題にしているのである。
 
たとえば学業成績の偏差値が同じ50の人でも、ある人は遺伝的にはふつう(「ふつう」とは「ふつうの平均的な環境に育てば」の意味である)60取れるのに、環境が劣悪でふつうの力が発揮できず-10だったために50という人もいれば、ふつう遺伝的には40の人が、特に恵まれた+10の環境で学習したから50になったという人もいるというモデルを考えている。
 
しかしそれをひとりひとり知ることはできないし、これだと個人単位でパーセント表示できないので、「ばらつき」という形で見るのが双生児法である。
 
双生児法では、きょうだいの類似性を示す相関係数という数字を使う。完全に類似していればその値は1、全く似ていなければ0、学業成績だとたとえば一卵性では0.75、二卵性だと0.45くらいである。
 
これは遺伝要因(x)も家族が共有する環境要因(y)も同じ値で散らばった人たちの類似性が0.75(x+y=0.75)、遺伝要因では半分しか類似していない(0.5x)が、家族の共有環境要因では同じ値(y)で散らばった人たちの類似性が0.45(0.5x+y=0.45)ということなので、(カッコの中に書いたxとyの二つの式からなる連立方程式を解くと)遺伝率(x)が60%(0.60)となる。
 
残り40%(0.40)が遺伝によらない環境の影響である。そしてその環境の中でも、家族で類似する共有環境の割合(y)が15%、それでも説明されない家族で共有されない一人ひとりに固有な環境の影響が残る25%(ちょうど一卵性が類似して「いない」程度、つまり完全な一致を示す1から一卵性の類似性0.75を引いた値に等しい)ということになる。
 
 早い段階であきらめ、別の道を

これまでにたくさんの双生児研究がなされているが、およそどんな能力やパーソナリティ、社会性、精神病理などの心理的特徴について遺伝と環境の影響を求めても、たいてい30%から60%の遺伝率が算出される。
 
また多くは共有環境の影響がまったくないか、あっても少ない場合が多く、それでもある程度その影響が見つかるのは、知能と学業成績、そしてタバコやアルコールのような現物が家にありそうなもの、あるいは若いときの非行のようなきょうだいや仲間がやっているとちょっと魅力的に感じて誘われそうなものに限られる。
 
環境要因の圧倒的に大きな部分は、一人ひとりに固有、状況によっても異なる非共有環境である。
 
学業成績だけではない。どんな能力にも遺伝の影響がある。
 
とすれば、人並み以上になにかを成し遂げたいと思ったとき、遺伝的才能のないところに力を注いでも厳しいこと、ひょっとしたらムダであることに、容易に気づくだろう。
 
もしがんばっても学業成績が伸びないのなら、それはあなたにその才能がないことの強い証拠である。
 
名門校進学や高学歴で勝負することは早い段階であきらめ、別の道を探すほうがよい。
 
行動遺伝学が示唆するひとつの、あたりまえの帰結である。
 

 卓球一族、小学生トリオが全国V 京都、「世界で金」へ前進
 
2017年11月16日 08時40分 京都新聞
 
 親族のほとんどが元選手の卓球一家で育った京都の小学生トリオがこのほど、小学生以下の卓球全国大会「ホープス卓球大会」男子団体で初優勝した。3人は、世界選手権元銀メダリストや卓球界の重鎮を輩出した「田阪家」の血縁関係にあり、「世界の舞台で金メダル」の夢を追いかける。
 
 田阪卓研(京都市伏見区)の松島輝空君(10)=竹田小4年=と、弟の翔空君()=同小2年、いとこの高橋慶太君(12)=上鳥羽小6年。
 
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3人の曽祖父の故田阪常雄さんは、かつて日本代表監督を務めた
 
祖父の兄・同志社大教授の田阪登紀夫さん(70)は、1969年に世界選手権男子ダブルスで銀メダルを獲得。
 
松島兄弟の父でコーチの卓司さん(37)と母由美さん(36)は全日本実業団選手権や日本リーグの優勝経験があり、由美さんの姉で高橋君の母、直子さん(38)と父正記さん(40)も立命館大卓球部出身だ。
 
 3人は、大学や国体で活躍した祖父母が運営する田阪卓球会館(同区)で小学校入学前からラケットを握り、漫画やテレビを見る時間も惜しんで練習に打ち込んできた。
 
 ホープス大会の決勝は、シングルスで輝空君がフォア、バック両方のドライブを巧みに使って圧勝し、高橋君も威力あるフォアハンドを生かして連勝。ダブルスは落としたものの、輝空君がシングルス2勝目を挙げて3-1で勝利した。高橋君は
 
「しんどい練習でも諦めずやってきたのでうれしい」、
 
輝空君は
 
「みんなの応援があり最後まで頑張れた」
 
と笑顔を見せる。
 
 輝空君は小学生以下の全日本選手権を4連覇中で、小学6年以下の日本代表に2年連続で選ばれた。
 
今年から、リオデジャネイロ五輪銅メダルの水谷隼選手らが名を連ねる木下グループ(東京都)と所属契約も結ぶ。「夢はオリンピックの金メダル」ときっぱり。卓司さんは
 
「世界の舞台は甘くない。代表になり、誰からも応援してもらえる選手になってほしい」
 
と期待する。

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