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ドローン空撮でグリーンランドの氷河研究

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グリーンランドの氷河でドローンを飛ばすその男は、気候変動に挑んでいる
 
グリーンランドの氷床で数カ月も野営を続けていたその男は、地球温暖化に挑んでいる。
 
氷に生息する微細な藻類が氷河の後退を加速させている可能性について解き明かすために、ドローンによる空撮で氷河に棲む生物をマッピングしているのだ。
 
これまでに2年かけたという試みを通じて、果たして氷河融解の動きに歯止めをかけられるのか。
 
TEXT BY BONNIE CHRISTIAN
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO
WIRED(UK)     wired.jp/2018/06/01
 
ジョゼフ・クック(30)は、グリーンランドの氷床で数カ月間野営する。
 
あまり快適ではないが、気候変動の影響を正確にマッピングするにはこの方法しかない。
 
イメージ 1
 
シェフィールド大学の博士課程修了後の研究員である彼は、氷河に生息する微細な藻類が氷河の後退をさらにもたらす可能性について研究している。
 
彼の仮説はこうだ。
 
グリーンランド西海岸沿いにある融解中の黒っぽい氷の帯は、ほとんど知られていない微細藻類の生態系によって、さらに黒みを帯びている。
 
「もしグリーンランドの氷床がすべて溶けたなら、現在より7mほど海面が上昇するとされています。グリーンランドの氷床は太陽放射の巨大な反射面です。これを失えば気候温暖化がさらに進み、多くの水が海に放出されるでしょう」
 
クックは、2016年にロレックス賞ヤング・ローリエイツに選出され、次の遠征の資金援助を受けた。
 
いまは微細藻類の成長が氷河後退のペースに及ぼしている影響の大きさを調べたいと考えている。
 
 
氷床に棲む生物のマッピングに2年
 
碁盤目状にドローンを飛ばして、氷床のマッピングに2年を費やした同氏は、どういう種類の藻類が増加中であるかを理解している。
 
現在は、さまざまな色素沈着や細胞サイズ、成長条件がもつ影響力をモデル化しているところである。
 
こうした予測が現実になるのかどうかわかる前に、研究を行いたいところなのだ。
 
そのためには、地上で調べている狭い範囲と、上空からとらえた解像度500mの衛星マップの間隙を埋める必要がある。
 
そこでクックは、ドローンにカメラとセンサーを搭載し、特定の光波長で画像を撮影した。
 
「これで氷上の生物たちをマッピングすることができます」
 
氷河の後退をもたらす仕組みがわかったら、このマッピング手法はほかのさまざまな場所で用いることができるとクックは言う。
 
「もっとセンシティヴで複雑な氷河や、複雑化する要因がさらに多い氷流にも適用できるでしょう」

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