大量のCDは近くの青年夫婦に譲った。私は古いレコードを入手して、最近はヘンデル以前の音楽を聞いている。バッハ移行の音楽と異なりオーケストレーションが過剰でないので聞きやすい。ScarlattiやVivaldiが秀逸である。PopsではMelTormeやDuranDuran。ヘンデルの歌劇クレオパトラの嘆きの歌も良い。
レコードプレーヤーは古いアメリカ製で音飛びもあるが、何というかリアルな音場を形成するのである。小さな音でも遠くまで聞こえるという不思議さがある。
清水さんのレコードも文化遺産としてNPO法人などの若者らが継いで欲しいものである。
2000枚のレコード収集、1枚200万円の品も 関・清水さん「聴きに来て」
2018年8月24日 中日新聞
関市馬場出の清水忠幸さん(89)が、クラシック音楽を中心に二千枚のレコードを趣味で収集した。
自宅の離れに、手回しの蓄音機でレコードをかける鑑賞専用の部屋も設けており、
「自分で聴くだけではもったいない。気軽に聴きに来て」
と呼び掛けている。
レコードを集め始めたのは、関商工高校(関市)の助手として勤務し始めた一九五〇(昭和二十五)年ごろ。終戦直後からクラシック音楽をラジオで耳にし、
「いずれ自分の手元に置きたい」
と、給料をためてベートーベンの「運命」を購入したのが最初だった。
「好きなことにとことん打ち込む性格」
といい、その後も中学の国語教員として勤める傍ら、県内外の店に赴いて次々にLP盤やSP盤を買い集め、手回し蓄音機も購入。
収集品の中には、五〇年ごろに米国で発売され、今では一枚二百万円もするという貴重なレコードもある。
もう一つの趣味だった温室での園芸が体力的にできなくなった二〇〇〇年ごろに、自宅敷地内に離れを建て、音楽鑑賞専用の部屋を作った。
現在でも東京や京都、大阪の業者からカタログを取り寄せ、お気に入りのレコードを集めている。
十年ほど前までは蓄音機を自宅から喫茶店や公民館に持って行き、レコードを披露していたが、最近はその機会がほとんどなくなったという。
「クラシック音楽やレコード盤に興味がある人は気軽に連絡してほしい」
と話している。(問)清水さん=0575(22)3051
(鈴木太郎)