シャネルNo. 5に危機? EUがアレルゲンの原料禁止を勧告
2014年02月14日 15:20 発信地:ブリュッセル/ベルギー
米ニューヨーク(New York)のメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)で展示される、ココ・シャネル(Gabrielle "Coco" Chanel)が1921年に製造した香水「シャネルNo. 5」の瓶(2005年5月2日撮影、資料写真)。
【2月14日 AFP】
欧州の老舗香水perfumescentメーカーや、オーガニック化粧品の新興企業が一掃の危機が迫っている。欧州連合(EU)の消費者安全科学委員会(Scientific Committee on Consumer Safety、SCCS)が、最大で1500万人の肌にアレルギー反応を起こしたとみられる原料3種を指摘した報告書を発表したためだ。
「安全ではない」アレルゲン(アレルギー誘発物質)として指摘されたのは、「HICC」と、モス抽出物中に存在する「アトラノール(atranol)」と「クロロアトラノール(chloroatranol)」。
アトラノール 2,6-ジヒドロキシ-4-メチルベンズアルデヒド
chemicalbook.com
いずれも、シャネル(Chanel)No. 5などの香水の原料として、木の香りをつけるために使われている。
同委員会は、これら原料が湿疹を主とした数千件のアレルギー症例との関連性がみられたため、化粧品の原料としての使用を禁じられるべきだと勧告している。
EU加盟国がこの勧告に従えば、主要ブランドを含む一部の香水は「再調合」を強いられることになる。最も大きな影響を受けるのは、皮肉にも無添加・自然由来をうたうオーガニック化粧品。
あるEU筋によると、全製品の9割が原料の変更を強いられるとも予想されており、小規模メーカーにとっては大きな課題となる見込みだ。
報告書の勧告内容は、今後3か月かけて各方面からの意見を得た上で、EU各加盟国の判断に委ねられる。
(c)AFP