牛舎を訪れるタンチョウには寛容であって欲しい。餌代などは国や道で負担できないものか。
タンチョウ 牛の餌パクリ 冬の釧路管内
01/09 09:45 更新 hokkaido-np.co.jp
【標茶】
日の入り直後の暗い牛舎に、大きな鳥のシルエットがうごめく。国の特別天然記念物タンチョウだ。
牛と向かい合い、夢中で餌をついばんでいる。
釧路管内標茶町で肉牛約3600頭を肥育する「ジュンちゃん牧場」(斉藤丈代表取締役)には、5年ほど前から、積雪期になると1日70羽近くのタンチョウが飛来する。
デントコーンなど牛の餌を目当てに牛舎に入り込み、中にはエサ箱に飛び乗る大胆な個体も。
タンチョウは道内に約1800羽が生息。
分布は道央や道北にまで徐々に広がっているが、湿原や川で餌が取れなくなる冬季には、約9割が釧路管内の給餌場や近隣の農家に集まる。
2016年から釧根管内の牧場を調べる研究者の松木護さん(55)=同管内鶴居村=によると、調査した千件以上の牧場の9割近くにタンチョウが飛来している。
カラスなどを含めた鳥類の対策を施す農家がある一方で、寛容な農家も多いという。