頭でっかちの都会Kidsらには自分の生存基盤が認識できて良き経験であろう。大変な作業だということが分かるだけでも良い。
農村滞在学習が好評 「春蘭の里」 修学旅行者 昨年から倍増
2014年5月29日 中日新聞
能登町の農家民宿群「春蘭(しゅんらん)の里」は28日、今年初となる修学旅行の団体を受け入れた。秋までに昨年の倍以上となる国内外の400人近い修学旅行の予約が入る。
大人数の受け入れが安定的な里の運営にもつながるため、関係者は
「今後も農村の自然の魅力を発信したい」
と意気込む。(志村拓)
訪れたのは、大阪府泉大津市小津中学校の三年生百七十三人。県の教育旅行誘致事業に応募し、昨年初めて修学旅行先に選定。里山の農村の暮らしを味わう滞在型の体験学習は生徒にも好評で、再度、実施先にしたという。三十日朝まで四十軒の農家民宿に分かれて滞在し、
田植え
山菜採り、
川釣り
などで里山に触れる。
初日は宮地の交流施設「こぶし」で、地元の能都中学校の生徒から手ほどきを受け、笛や太鼓の音色に合わせてキリコ担ぎを体験。
「ヤッサイ」と声を張り上げながら、能登の祭り文化を満喫した。
「若い人のにぎわいが、農村を盛り上げてくれる」
と実行委員会事務局長の多田喜一郎さん(65)。自宅前から中学生を見守ったお年寄りたちも
「地元の人だけじゃ、もうキリコは動かせない。うれしい景色」
と目を細めた。
里には四十七軒の民宿があり、最大で一泊当たり二百人の受け入れが可能。実行委は来春の北陸新幹線金沢開業も踏まえ、「今後の目標は年間二十校」と定める。
東京都や静岡県などの学校の受け入れも予定されるほか、他県からの問い合わせも相次ぎ、注目度は高まる。
「能登を第二の故郷と思えるくらい、楽しんでほしい」
と話すのは、中本安昭会長(77)だ。
「農村の素朴な暮らしが、都会から注目されている。興味を持った修学旅行生が将来、一人でも移住してくれたらうれしい」
能登のよさを体感できる里の可能性にも期待する。