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網走湖シジミ異臭の原因分子

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イメージ 12-メチルイソボルネオール (2-Methylisoborneol) 
 
画像Wikioedia
 
陰気臭いというか土臭いと水道水への不満としてあげられることの多い、カビ臭の原因物質の1つとしてあげられるものです。研究で使う限りにおいては、そんなに臭くはなかったと記憶していますが。シクロデキストリンの疎水性空洞に入り込む研究をしていた時の感想です。
 
飲み水に混入すると臭いのでしょうね。0.1-115 ng/Lという感度であるらしい。これをシクロデキストリンで除去できれば良いわけです。
 
イメージ 2一方、かび臭はジェオスミンgeosminです。
 
Wikiによると「雨が降ったあとの地面の匂いを持つ有機化合物の一種で、デカリン誘導体のアルコールである」という。
 
私はコイやドジョウ料理が泥臭くて食べれません。個人的な好き嫌いですがシジミもドブ臭いものが多く、最近食べていません。厚岸産のアサリを食べています。
 


ゲオスミン (geosmin)
(4S,4aS,8aR)-4,8a-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-4a-オール (4S,4aS,8aR)-4,8a-dimethyl-1,2,3,4,5,6,7,8-octahydronaphthalen-4a-ol
 
Wikipedia

語は「大地の臭い」を意味し、テーブルビートのもつ土のような味や下水道から発生するカビ臭の原因物質でもある。ヒトの鼻はゲオスミンに対して敏感であり、5ppt程度の濃度でもそのにおいを感じることができる。
 
コイやナマズなど水底に住む淡水魚が持つ泥臭いにおいのもとでもある。藍藻はゲオスミンや2-メチルイソボルネオールを作り、これが魚の皮膚や血合に濃縮される。
 
ゲオスミンは酸性条件で分解するので、酢など酸性の調味料を調理に使えば泥臭さを抑えることができる。
ゲオスミンの生成
 



pnas.org/content/100/4/1547/F3.expansion
イメージ 3
 

網走湖シジミ異臭 藻類生成の物質が原因 西網走漁協など発表
 
(道新08/07 17:54) 【網走】
 
道内最大のシジミの産地、網走湖(網走市、オホーツク管内大空町)で水揚げされたシジミから異臭が確認され、漁が中止となっている問題で、西網走漁協(網走市)などは6日、異臭の原因物質は藻類などが生成する化学物質
 
「2―メチルイソボルネオール(2―MIB)」
 
だったと発表した。
 
 同物質による健康被害は全国でも確認されていないという。同漁協の大高隆吉組合長は記者会見で
 
「消費者や関係機関に迷惑をかけた」
 
と陳謝した。
 
 先月下旬、消費者らから異臭への苦情が相次ぎ、同漁協は検査機関に分析を依頼、同28日から漁を中止した。
 
検査の結果、2―MIBが1キロ当たり0・0035ミリグラム検出された。
 
 原因は不明だが、専門家によると、今年は雨が少なく網走湖の水温が高いことが影響している可能性もあるという。
 
 同漁協は12日に再び食味調査を実施する予定で、
 
「シジミを食べてもカビ臭がなくなるまで操業は差し控えたい」
 
としている。

blog.livedoor.jp/moriorg3/archives/50335387
イメージ 4

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