網膜色素変性に効果 京大、発症遅らせる物質開発
2014年08月07日 09時18分 京都新聞
中途失明の原因として国内で第3位の病気である網膜色素変性の発症を遅らせる物質を、京都大の垣塚彰生命科学研究科教授や池田華子医学部付属病院准教授らのグループが開発した。
マウスで効果を確認しており、数年内に類似する目の病気で臨床研究を始めたいとしている。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で6日発表した。
網膜色素変性は網膜の中にある視細胞が減少する難病で、国内に約3万人の患者がいるとされる。約半数が遺伝性とされ、根本的な治療法はない。
グループは、視細胞の減少は細胞内での過剰なエネルギー消費が原因と考え、消費を抑える物質を網羅的に探した。
その結果、赤い色素の一種が有効であることを確認し、効果を高めるために赤い色素を基に新しい化合物を作った。
網膜色素変性を発症するマウスにこの化合物を投与すると、通常の生後約25日目での失明を約8日遅らせることができた。目立った副作用はなかったという。
臨床研究は、虚血性視神経症など類似した病気の患者を対象に始める計画。垣塚教授は
「新開発の化合物は、細胞死が原因であるアルツハイマー病などの神経、筋疾患にも有効な可能性がある。効果を確かめたい」
と話している。
a) Structures and IC50 values of KUS11, KUS31, KUS69, KUS94, KUS121, and KUS187. Note that KUS11 did not inhibit the ATPase activity of recombinant VCP, and it did not share a common structure with the other KUSs