Quantcast
Channel: blog化学
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2255

和光のイオンチャンネル作用物質を眺める

$
0
0
和光のイオンチャンネル作用物質を眺める
 
時間が許す時に分子の様々な形を見ていると、面白いことに気がつく。
 
E-4031

 HERGカリウムチャンネルブロッカーです。抗不整脈作用があります(3群)。筋細胞の脱分極後の再分極の際、遅延整流K電流内のrapidな成分Ikrを選択的に抑制します。
 
 
イメージ 1
 
•含量(HPLC):98.0%以上
•水溶状:試験適合
•CasNo.:113559-13-0
•分子式・分子量:C21H27N3O3S・2HCl=474.44
 
cosmobio.co.jp/product/detail/cht_herg_ic50.asp?entry_id=9081
イメージ 14
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Gabapentin
 
GABAの類似構造化合物ですが、GABAA、GABAB、ベンゾジアゼピン受容体に対する活性はありません。電位依存性カルシウムチャンネルのα2δサブユニットに特異的に結合し、GABA神経系を亢進させます。抗けいれん作用を示します。
 
イメージ 2
 
•含量(HPLC):初回ロット実績値99.7%
•水溶状:試験適合
•CasNo.:60142-96-3
•分子式・分子量:C9H17NO2=171.24
 
Ionomycin
 
非環状イオノファーであるが選択性はある。
 

グラム陽性菌に対して抗菌活性を持つ抗生物質であり、イオノフォアとして作用します。
 
二価陽イオンと結合し、強制的に細胞内に流入させるために使われています。
 
(イオン選択性:Ca2+>Mg2+≫Sr2+=Ba2+) Ca2+に対する親和性は高いですが、pH7以下ではCa2+と結合できません。生体膜のCa2+輸送実験に使用されており、同様の作用を持つ試薬にA23187があります。
 
イメージ 3
 
•含量(HPLC):98.0%以上
•メタノール溶状:試験適合
•CasNo.:56092-81-0
•分子式・分子量:C41H72O9=709.00
 

KB-R7943
 
細胞透過性のNa+/Ca2+交換体(NCX)のリバースモード選択的に強力に作用する阻害剤です。(IC50 NCX1:4.9μM, NCX2:4.1μM, NCX3:1.5μM) また、TRPCチャンネル、ニコチン受容体、NMDA受容体も阻害することが報告されています。
 
イメージ 4
 
•含量(HPLC):98.0%以上
•水溶状:試験適合
•CasNo.:182004-65-5
•分子式・分子量:C16H17N3O3S・CH3SO3H=427.50
 
 
 Ryanodine
 
ライアノジン受容体は小胞体上にあるCa2+放出チャンネルです。本品が結合すると開口状態に固定され、小胞体からCa2+が漏出すると同時に、細胞内Ca2+放出が阻害されます。
 
イメージ 5
 
•含量(HPLC):98.0%以上
•メタノール溶状:試験適合
•起源:Ryania speciosa
•CasNo.:15662-33-6
•分子式・分子量:C25H35NO9=493.55
 

SKF96365
 
非選択性カチオンチャンネルであるTRPカチオンチャンネルや、電位依存性カルシウムチャンネルを阻害し、広汎なカルシウム流入を阻害
 
イメージ 6
 
•含量(HPLC):98.0%以上
•水溶状:試験適合
•CasNo.:130495-35-1
•分子式・分子量:C22H26N2O3・HCl=402.91
 

Thapsigargin
 
小胞体膜状のCa2+-ATPaseを非可逆的に阻害することにより、小胞体へのCa2+の取り込みが阻害されると同時に、Ca2+の小胞体から細胞質への漏出を引き起こします。また、小胞体ストレスによりアポトーシスを誘導します。non-TPA型発がんプロモーターです。
 
イメージ 7
 
•含量(HPLC):93.3%(初回ロット)
•アセトニトリル溶状:試験適合
•起源:Thapsia garganica
•CasNo.:67526-95-8
•分子式・分子量:C34H50O12=650.75
 

ZD7288
 
心臓の右心房にある洞房結節に作用し、過分極誘発性陽イオン電流Ihの発生を阻害します。
 
イメージ 8
 
•含量(HPLC):98.0%以上
•水溶状:試験適合
•CasNo.:133059-99-1
•分子式・分子量:C15H21ClN4= 292.81
 
価格が高すぎますね。
イメージ 10

分子の作用点
イメージ 9

pharm.kyoto-u.ac.jp/channel/ja/research/channel1
 
3.イオンチャネル創薬の問題点
 
 イオンチャネルを標的にした阻害薬や開口薬は,よい薬になると分かっていても簡単には作ることが出来ません。
 
また,実際にゲノム創薬の現場においても,膜イオンチャネルのような輸送タンパク質はあまり重要な創薬標的として認識されていません。これには2つの大きな理由があると考えられます。
 
 一つは,酵素や受容体には内在性リガンドが存在し,それらをシードとした誘導体や阻害薬の設計が可能であるのに対して,膜輸送タンパク質の多くには天然の高親和性リガンドが存在しないためです
 
いわゆるシード化合物が天然に存在しなければ,天然の生理活性物質を手がかりに構造活性相関によって薬を作ってきたこれまでの手法が通用しないのです。
 
 もうひとつは,酵素や受容体では基質の化学変化や結合といった無細胞系での高感度な指標によってリガンドの生物活性を予測および高速スクリーニング(HTS)できるのに対して,膜輸送タンパク質は物質の膜輸送という,生きた細胞でなければ測定できない煩雑な実験技術がスクリーニングに必須となるためです。
 
また,既存のHTS手法ではチャネルへの作用は間接的にしか調べることができません。最終的には細胞の電気的な活動をモニターする必要があるのです。
 
 図1~3(kusuri-jouhou.com/chemistry/henka)
 
イメージ 11
イメージ 12
 
イメージ 13
 
 
avivabio.com/products/tutorephys.php
イメージ 15

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2255

Trending Articles