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大根洗いと大根干しの時期

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大根の時期である。また大根洗いと大根干しもしなくてはいけない。辛みのある大根は来年に作ってみようかと思う。長野県には様々な辛み大根がある。
 
さて辛み大根とは何なのか?坂井市で3種の色とりどりの辛み大根の収穫という(中日新聞)。
 
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辛味大根   「各地の辛味大根」 
 
 www10.ocn.ne.jp/~sobakiri/daikon
 
 ダイコンの原産地は中央アジア、地中海沿岸などとされ、日本には中国を経由して渡来したといわれている。
 
古く古事記や日本書紀にも登場し「於朋泥」「於保爾」「意富泥」などいずれも「オホネ」と訓み、その後、大根(オオネ)から大根(ダイコン)と呼ばれるようになったといわれている。

もっとも、中世の文献には漢文体が多いので中国名(漢名)の蘿蔔(ラフク・ラフ)が使われているが、日本名としては春の七草でお馴染みのスズシロ(清白)である。

 室町時代になると他の野菜とともに栽培法が発達して、江戸時代をつうじ諸国に伝播する。
 
気象や風土の異なる地域にもよく適応して土着し多くの品種が誕生することから200種もの品種があったともいわれるが、実際には約110品種を数え、まぎれもなく日本を代表する野菜となっている。

適応性の高い例としていつも挙げられるのは、「火山灰質の土壌と温暖な気候」がひとつの要因とされる桜島大根と、「沖積層の深い砂壌土地帯」の守口大根の例である。

鹿児島県の代表的な野菜となっている桜島大根の大きなものは重量30kg、直径40~50cmもあり、一方の摂津国守口(大阪・守口)に由来する守口大根は根の直径2cmで、長い場合は150cm以上にも成長する。
 
 みずみずしく甘いイメージの大根が多い中で、麺類の薬味や搾り汁として古くから重用されてきたのが辛味大根である。
 
イメージ 2その多くは、肉質が硬く水分が少なく、大根の辛味成分であるアリルイソチオシアネートという化学物質(からし油)を多く含む品種である。
 
 
blog.goo.ne.jp/ekitait1987/e/2d07830d71a309fab191b742976cc25e
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それらは、在来種の古い地大根に由来するものや、細々と自家栽培で伝えられてきたもの、さらには栽培品種が野生化したもの、逆に野生種を選抜育種したものなど、地域それぞれの特性や独自の個性を受け継いできたものが多い。
 
例えば、島根県では、島根半島の浜辺や宍道湖畔に自生していたハマダイコン(野生種)を選抜育種した出雲おろち大根のように純粋な野生種からの新品種も生まれている。
 
 
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apot.exblog.jp/15683158
イメージ 4アリルイソチオシアナートは、受容体活性化チャネルのひとつであるTRPA1を活性化し、適量の摂取は抗癌、抗菌などの作用を示すものの、大量に摂取すると有害とのこと。
 
化学的反応性の高いイソチオシアナート誘導体ですから、毒性があるのは当然ですが、ワサビもカラシも大根も摂取するなと言われたら食生活かなり色褪せますよね。
 
ふたつめは、上記の親戚筋となります4-ヒドロキシベンジルイソチオシアナート(4-hydroxybenzylisothiocyanate)で、シロカラシ(西洋マスタード)の辛味成分。
 
分子量が大きく揮発性がないため、マイルドな辛味となるようです。
 
シニグリンと同様な配糖体のシナルビンから、ミロシナーゼによる加水分解よって作られます(図では水分子は省略)。
 
原料と生成物を眺めるにつけ、ベンジル基の転移と考えるのが妥当かと。
 
イメージ 5 みっつめは、唐辛子の辛味成分であるカプサイシン (capsaicin)です。
 
受容体活性化チャネルのひとつであるTRPV1というターゲットを刺激するそうです。
 
体内に吸収されたカプサイシンは脳に行って内臓感覚神経に働き、発汗や強心作用を示すとのこと。
イメージ 6このカプサイシンの構造なんですが、おもしろいことに左側の芳香環の部分はバニリン(vanillin)という化合物からできています。
 
バニリンというのはその名のとおり、バニラの香りの主成分です。下に示すように、カプサイシンはバニリンとアンモニア(NH3)と脂肪酸(右側部分)からできていると見ることができます。
 
 

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