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京大の素数ものさし

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 学校数学は嫌いだが素数狂いのKidsに1~10000の素数表を与えた。今夜は5000台の素数探しを電卓片手にしている。数にも色々なキャラがあると感心している。いづれ報告を聞きましょう。
 
学校で関数を習ったが全くわからないという。私が中学生の頃はy = f(x)ですぐ受け入れたがなあと思う。
 
何度も分からないというので車のナビで自分の居場所がわかるでしょと説明すると少しは興味ありそうである。
 
考えてみたら関数などという概念はライプニッツにもなかった。250年前にEulerが無限解析という本(1748年刊)で丁寧に説明している。多変数関数論についても説明あり。ロピタルにしても明確でなかったらしい。
 
 
「不便は生活を豊かにする」? 「素数ものさし」が大ヒット 〝不便益〟研究する科学者集団の狙いとは
 
     2014.11.4    産経
 
 「不便のいいところを研究する」とのテーマを掲げる科学者たちがいる。
 
京都大の川上浩司教授が代表を務める「不便益システム研究所」。
 
これまで便利さの追求一辺倒だった発想を見直し、さまざまな観点から新しい人間社会のあり方を提案することを目指すグループだ。
 
〝不便〟についてきちんと考察した上で理論化し、システム設計などに生かそうというれっきとした科学研究だが、あえて〝不便〟に着目するのはなぜなのか。(前田武)
 
 
効率重視の時代は終わった
 
 研究所を主宰する川上教授は人工知能などを研究するシステム工学の専門家。研究所のメンバーは約10人で、京都大のほか立命館大や近畿大などから、電子工学や教育学、芸術学などさまざまな分野の研究者が参加している。
 
 川上教授は
 
「効率を上げる、機能を充実させる、といったモノづくりを追求する時代は終わったと思う。一見、不便に思えることが実はプラスになっているという事例は多い」
 
と語る。
 
 身近なケースとしては、オートマチックの自動車よりマニュアル車の方が運転が楽しいとか、わざわざ手間ひまをかけてキャンプに出掛けたりすることが不便のいいところ、つまり〝不便益〟だという。
 
 逆に便利になりすぎたモノによる弊害、いわば〝便利害〟もある。
 
カーナビに頼るあまり、街の地図が頭に入らなかったり、膨大な枚数の写真を撮影できるデジカメだと深く考えずにシャッターを押したりしてしまう、といった現象だ。
 
 「工夫の余地があることで楽しいと感じる一方、便利すぎると能力が衰えてしまう場合もある。昔から何となく言われていたことだが、それらをきちんと整理して社会のあり方を考えたい」
 
 もともと川上教授は大学院でシステム工学を学び、世の中を便利にするための研究に取り組んでいた。ところが、助教授時代に恩師の教授から「これからは便利にすることだけを考えていてはだめだ」と指摘された。衝撃を受けたが、よく考えると「その通り」と感じるようになり、不便益の発想が芽生えた。
 
 平成18年度には正式に研究費の予算を獲得し、有志による研究所としてスタート。研究会の開催やシンポジウムでの講演、論文発表など、幅広い活動を展開している。
 
素数ものさし、わずか数日で…ツイッターでも話題
 
 これまでの最大のヒット作は、研究所オリジナルの不便益グッズとして開発した「素数ものさし」だ。
 
 その名の通り2、3、5、7…といった素数(1とその数でしか割り切れない自然数)の目盛りしかないものさし。
 
昨年3月から京都大キャンパスの生協などで販売したところ、使いにくさが逆に受けて一時売り切れになるほど人気を博した。
 
イメージ 1blog.goo.ne.jp
 
 一昨年9月に開催されたワークショップで大学院生が出したアイデアをもとにして、研究所のメンバーがデザイン。
 
当初、売り出した千本はわずか数日でほぼ完売し、しばらく品薄の状態が続いたという。
 
素数ものさしの利点について、川上教授は
 
「あえて不便なものを使うことで得られる楽しさがある」
 
と説明する。
 
 例えば、4センチを測るためには7センチと3センチの目盛りを使うといった工夫が必要だ。
 
インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」などでは、「これ面白い」「頭の体操になりそう」「使い道はないが、ほしい」と話題になった。
 
 川上教授は
 
「便利なモノが良いとはかぎらないことを理解してもらうきっかけになればうれしい」
 
とした上で、
 
「予想以上の人気で驚いたが、不便なだけに自分なりの使い方を見つける面白さがあると思う」
 
と指摘している。
 
 
ロック解除しにくスマホ、使うほど消える地図…
 
 このほかにも、最初の設定で決めた通りの身ぶり手ぶりを再現しないと解除できないスマートフォンのロック画面アプリや、よく使うルートを通れば通るほどその道路が地図から消えていくカーナビなど、数多くの独創的なアイデアを発信し続けている。
 
 時には、「人工のモノから離れて自然に返れ」と主張する運動や、「不便だった昔の方がよかった」といった懐古主義と同一視されそうになることもある。
 
 しかし、川上教授はそんな見方を否定するのだ。
 
 「便利のいいところはもちろん大事。すべて不便にせよというのではない。ただ、今まで見過ごしていた不便益には、ちょっとだけ人々の生活を豊かにするヒントがあるかもしれない、ということ」
 
 今春から、将来の社会のあり方を描き出すリーダーとなれるような人材の育成を目指す京都大の「デザイン学ユニット」で教授を務めている川上教授。その教科書にも不便益の考え方を盛り込むつもりだ。
 
 「まだまだ研究は道半ばだが、いずれは不便益の方法論を構築するところまでいきたい」
 
 川上教授らが挑む独創的な不便益の研究は、便利さを追求してきた人間社会に新たな方向性を与える道しるべになるだろうか。

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