冬場の雪の有効利用はだれしもが考えるが、なかなか妙案がないのが現状。冷熱エネルギーとして夏に使うというのが一般的である。問題は雪を貯蔵する空間の確保ですね。
雪集め「夏場の冷蔵庫」に 勝山市
2015年1月29日 中日新聞
冬場の雪を大量保存し、夏場の冷蔵庫として活用-。
勝山市が電力をほとんど使わない「雪冷蔵庫」の実証実験に力を入れている。
夏場に野菜を貯蔵する雪国の知恵「氷室」を応用し、北海道や新潟では既に実用化済み。
自然の力を生かし、猛暑でも節電やエコにつなげようという取り組みだ。
市は雪を再生可能エネルギーとして活用を図ろうと二〇一三年七月に
「市雪氷熱エネルギー利用促進協議会」
を設立し、雪を冷蔵や冷房に使うための調査・研究を進めている。
「雪冷蔵庫」の実証実験はその一環。
JAテラル越前の協力を得て、同市平泉寺町岡横江にある使用していない「冷凍保管庫」を借り受けた。
二十八日は市職員ら八人が雪の搬入作業を実施。冷凍保管庫内にコンテナを「コの字」型に積んで壁を作り、農道や山間部から集めたきれいな雪を運び入れてから小型ロータリー除雪車を使って天井近くまで積み上げた。
最終的に保管庫内の三分の二を占める約二百立方メートルの“雪の山”を作り上げ、三月をめどに残りの空間に市内の生産者や食品業者らのコメや日本酒、ソバの実などを収容する。
先進地の事例では、雪の冷気で夏場でも室温を一度程度に保つことが可能という。
市環境政策課の担当者は「邪魔者扱いされる雪だが、自然の冷熱エネルギーとして活用につなげていきたい」としている。
(藤井雄次)