全生徒に手帳、自己管理の力培う 京都・長岡中学で試み
2015年02月11日 12時30分 京都新聞
長岡中(京都府長岡京市天神4丁目)がスケジュール手帳を活用し、生徒の自己管理能力の向上に取り組んでいる。
全校生徒518人が手帳を携帯、時間割をはじめ、宿題や提出物、目標、思ったことなどを書き込んでいる。
手帳の導入前に比べ、忘れ物が大幅に減少し、家庭学習の時間が増加するなど効果が現れているという。
府教育委員会の「学力向上システム開発校」指定を受け、昨年度から導入した。
公立中学校で全校生徒がスケジュール手帳を活用するのは珍しいといい、自己管理能力の育成をはじめ、書く力と考える力の向上、時間を意識することによる生活習慣の改善や家庭での学習習慣の定着を目指す。
A5サイズの手帳は、見開きで1週間分。各日ごとにタイムスケジュールや持ち物・宿題、学習時間、思ったこと・感じたことを書き込むほか、その週の目標と行うこと、1週間でうまくいったこと・いかなかったことを記す欄もある。
長岡中では毎日朝と夕、それぞれ5分ほど手帳を書く時間を設定。生徒たちは、その日の予定を確認し、一日を顧みる。週末には一週間を振り返り、翌週の目標を考える。
手帳会社が本年度に行ったアンケートでは、忘れ物や提出物遅れに関する質問に「大幅に減った」「減った」「少し減った」と答えた生徒は77・4%に上り、全国平均の68・7%を大きく上回った。
家庭学習時間については30分増27・4%(全国11・8%)、1時間増8・9%(同7・8%)、2時間増2・1%(同1・6%)で、「書くことが増えた」「時間を意識して使うようになった」と答えた生徒も多数いて、手帳導入の効果が出ていることを示したという。
3日に同中で開かれた研究発表会では、生徒4人が手帳の感想を話した。1年の加藤丈登君と徳永朋大君は「継続力がついた」「忘れ物が減った」と話し、2年の宮前りささんは「振り返りを英語で書くようにしている」と語学力向上にも役立てていることを紹介した。
また、2年の川上夏希さんは「ただ書くだけでなく、書くことの意味を考えながら記していきたい」と今後の手帳の活用方法を語った。
長岡中は2015年度以降も生徒への手帳配布を続けていく方針で、「生徒たちが自身の生活を見つめて少しでも学習時間を増やし、自己管理能力を伸ばしてくれたら」としている。