予定よりかなり遠い13日で回る楕円軌道であるが、周回に成功であれば良しですね。
さて当たり前と言えますが小さな探査機でもケプラーの第2法則
「探査機の速度は中心の星からの距離で決まる」
に従うのですね。
*fanfun.jaxa.jp/topics/detail/6285
金星より太陽に近いということは、金星より速いということです。そのまま放っておけば、金星との距離はどんどん離れていきます。ここであかつきが取れる方法は2つ。
金星より外側に出て金星を待つか、このまま金星より内側にいて、再び金星に追いつくか。
結論から言えば、あかつきは金星より内側を通って金星に再び追いつく方法を取りました。これは金星より外側に出るためには燃料が足りなかったからです。金星の外側へ出るためには、燃料をたくさん使って軌道を大きく変えなくてはいけません(加速して、軌道を大きくして、金星よりゆっくり太陽の周りを回って金星を待つ)。それより、金星より内側にいて、適切なタイミングで金星と出会うための調整をするほうが、燃料が少なくて済むんです。
金星軌道に投入成功=あかつき
時事通信 12月9日(水)19時10分配信 headlines.yahoo.co.jp
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、金星探査機「あかつき」が、金星を回る軌道への投入に成功したと発表した。
写真は、あかつきが紫外線カメラで撮影した金星=7日、JAXA提供
金星軌道に投入成功=あかつき、日本初の惑星探査へ-JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、金星探査機「あかつき」が、金星を回る軌道への投入に成功したと発表した。
あかつきは2010年12月に軌道投入に失敗し、今月7日に再び金星に接近。
姿勢制御エンジンを約20分間噴射して軌道投入に再挑戦していた。日本の探査機が惑星周回軌道への投入に成功したのは初めて。
プロジェクトマネジャーの中村正人JAXA教授は記者会見で
「大変感慨深い。5年たったが、われわれの夢が実現したことになる」
と話した。
JAXAによると、あかつきは7日の噴射で減速。エンジンの効率が良く、当初の想定より金星に近い約13日間で回る楕円軌道へと投入された。
あかつきは異なる波長で観測できるカメラなど計5種類の機器を搭載。金星の気象や大気の動きなどを調べる。
7日から一部のカメラを使い、金星の試験的な撮影に成功した。
機器の調整などを進め、来年4月から2年間、本格的な観測を行う。
日本の惑星探査は、1998年に打ち上げた火星探査機「のぞみ」で失敗していた。
惑星周回軌道への投入は米国、旧ソ連、欧州、インドが成功している。
(時事2015/12/09-20:02)2015/12/09-20:02