栃の木とはニセコにあるかな?トチノキ(学名:Aesculus turbinata /科目:トチノキ科トチノキ属)北海道、本州、四国。稀に九州に自生する。特に、東北地方や北海道南部に多いという。実には界面活性のサポニンsaponinとポリフェノールが含まれる。
来年、苗を購入して育てて見よう。マロニエとはどう違うのか。
トチの実でピロリ菌の接着を抑制 寿製菓が特許
2013年11月28日 22時27分 中日新聞
菓子大手の寿スピリッツは28日、傘下の寿製菓(鳥取県米子市)が主力商品の原料であるトチの実に含まれるポリフェノールで特許を取得したと発表した。
胃がんや胃潰瘍の発症に関与しているとされるヘリコバクター・ピロリ菌が胃の細胞に接着するのを抑制する、という。
寿製菓はトチの実を原料に「とち餅」や「栃の実茶」を製造。11月8日付で特許を取得した。研究結果を伝えることで、商品に使われているトチの実の知名度を上げていきたいとしている。
(共同)
栃の実 japalthy.com/r_d/index
トチノキ(学名:Aesculus turbinata BLUME) の種子です。
トチノキは、日本固有の品種で、北海道から本州・四国・九州の山地に自生する落葉広葉樹の高木です。5月に開花し、秋には直径5cmほどの卵円形の果実ができ、熟すると3つにわれて、中には栗に似た茶褐色のつやのある種子がみられます。
このトチノキ種子、すなわち、栃の実は、縄文時代の遺跡から日本各地で出土されたことから、縄文時代より主食または、飢饉の際の非常食とされていたと推定されています。
栃の実は、乾燥すれば長期保存出来ることが非常食として使用された理由の一つと考えられています。現在では、栃の実は、日本各地で栃餅や栃の実だんご等の食品原料として使用されています。
栃の実は、澱粉を多量に含んでおり、有用な食糧資源ですが、“あく”であるサポニンやポリフェノールを含むため、苦味や渋味が強いのが特徴です。
したがって、“あく”を抜く処理をしなければ、栃の実を食品として使用することはできません。しかしながら、完全に“あく”を抜いてしまうと、栃の実特有のうま味がなくなってしまうので、非常にあく抜き作業は難しいとされています。
日本の各地域で伝承的に様々なあく抜き方法がとられています。その代表的な方法としては、栃の実を水晒し、煮熟、木灰液に浸漬する工程がとられています。ここでは、グループ会社での栃の実のあく抜き方法を紹介します。
栃の実は天日に干して乾燥した状態で保存していますので、栃の実の堅い皮は簡単にはむけません。そこで乾燥した栃の実の皮を剥ぎやすくするため柔らかくなるまで水に浸します。
はじめに機械で大まかな皮を剥ぎ、取り切れなかった部分の皮を、一つ一つ手作業をおこない丁寧に取り除いていきます。皮をむいた栃の実は白っぽい実です。
皮をむいた栃の実を再度水に浸します。この時、実の表面にぬめりが出ないよう流水でさらし、苦味成分のサポニンをある程度取り除きます。(ここでは完全にとれません)
今度は、水にさらした栃の実を、沸騰した湯の中で約1時間煮ます。煮ることで実は硬くしまります。
栃の実とほぼ同量の木灰を水で練り、どろどろした灰汁と実を混ぜて漬け込みます。この時の灰の状態や気温などで微妙に味が変わるので、職人の長年の感が必要となります。
水で栃の実についた灰汁を綺麗に洗い落とします。実が中まで黄色くなり、噛んでみてピリッという感じはあるが苦味があとを引かない状態であればアク抜き完了です。
出来上がったアク抜き栃の実を好みに合わせ、餅や菓子などに入れます。
Wiki
トチノキ(栃、橡、栃の木、学名:Aesculus turbinata)とは、トチノキ科(APG植物分類体系ではムクロジ科とする)トチノキ属の落葉広葉樹。
近縁種でヨーロッパ産のセイヨウトチノキ (Aesculus hippocastanum) が、フランス語名「マロニエ:marronnier」としてよく知られている。
人間との関わり
木材として家具などの材料となる。巨木になるものが多いので、昔はくり抜いて臼を作るのにもよく使われたが、最近は乱伐が原因で産出量が減り、主にテーブルなどに使用される。
木質は芯が黄金がかった黄色で、周辺は白色調。綺麗な杢目がでることが多い。また真っ直ぐ伸びる木ではないので変化に富んだ木材となりやすい。比較的乾燥しにくい木材で、乾燥が進むと割れやすいのが欠点だが、21世紀頃にはウォールナットなどと同じ銘木級の高価な木材となっている。
デンプンやタンパク質を多く含有する種子は栃の実として渋抜きして食用になる。同様に渋抜きして食用になるコナラやミズナラなどの果実(ドングリ)よりも長期間流水に浸す、大量の灰汁で煮るなど高度な技術が必要で手間がかかるが、かつては米がほとんど取れない山村ではヒエやドングリと共に主食の大きな一角を成し、常食しない地域でも飢饉の際の食料(飢救作物)として重宝された。そのために森林の伐採の時にもトチノキは切り残す慣習を持つ地域もあった。
私有の山であってもトチノキを勝手に伐採することを禁止していた藩もあったほどである。また、各地に残る栃谷や栃ノ谷などの地名も、食用植物として重視されていたことの証拠と言えよう。現在では、渋抜きしたものをもち米と共についた栃餅(とちもち)などとしてあちこちの土産物になっている。縄文時代の遺跡からも出土しており、ドングリやクルミ同様、古くから食用とされてきた。保存もきくので、天井裏に備蓄しておく民家もあった。積雪量が多く、稲作が難しい中部地方の山岳地帯では、盛んにトチの実の採取、保存が行われていた。
トチノキ種子のエスチン(escin)類、イソエスチン(isoescin)類には小腸でのグルコースの吸収抑制等による血糖値上昇抑制活性が認められた(詳細はサポニンを参照のこと)。
花はミツバチが好んで吸蜜に訪れ、養蜂の蜜源植物としても重要であったが、拡大造林政策などによって低山帯が一面針葉樹の人工林と化していき、トチノキなどが多い森林は減少し日本の養蜂に大きな打撃を与えた。
そのほか、街路樹に用いられる。パリの街路樹のマロニエは、セイヨウトチノキといわれ実のさやに刺がある。また、マロニエと米国産のアカバナトチノキ (Aesculus pavia) を交配したベニバナトチノキ (Aesculus x carnea) も街路樹として使用される。日本では大正時代から街路樹として採用されるようになった。しかし湿気のある土地を好むため、東京などの大都市とは相性が悪い。