ビールは「週に6杯まで」:英政府、ガイドラインを厳格化
英政府は20年ぶりに飲酒ガイドラインを改訂、厳格化した。男女とも、週にビール6杯、またはワイングラス7杯、ウイスキーボトル約半分を上限としている。
2016.1.21 THU wired.jp
PHOTOGRAPHS COURTESY OF UNIVERSAL PICTURES
TEXT BY BETH MOLE
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO
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ARS TECHNICA (US)
英国民保健サービス(NHS)は、アルコール消費量に関する勧告を20年ぶりに改訂した。
今週発表されたガイドラインは、これまでよりも厳しい内容となっている。男女ともに週に14ユニット以上のアルコールを飲まないよう推奨しているのだ。
1ユニットは純アルコール1ミリリットル分(8g)を表すので、週に14ユニットとは、ビール6パイント(約3.4リットル)、あるいは、グラスワイン7杯、ウイスキーならボトル約半分となる。
女性の飲酒量の上限はこれまでと変わっていないが、これまでの勧告では、男性の上限は週にワインまたはビール約9杯だった。
新たな勧告では、中程度の飲酒量でも
「乳癌や暴力、溺死、転倒による怪我、自動車事故のリスク上昇」
につながると指摘されている。
ガイドラインは、リスクをさらに減らすため、新しく設定された分量に従うだけでなく、さらにそれらを「一度に暴飲」せずに、3日以上に分けて摂取することを推奨している。
英国政府のサリー・デイヴィス主席医務官は、
「毎日グラス1杯のワインを飲むと健康にいい」
という一般に広まっている考えを、「くだらない迷信」だと一蹴。
それよりも「カップ1杯の紅茶」を飲むことを勧めている。
だが、一部の英国人は、新しい勧告に対してすでに懐疑的だ。週末の緊急救命室(ER)を利用する患者の2/3以上は飲酒と関係しているという調査結果もある、英国の根強いパブ文化のもとでは、新しいガイドラインが守られるとは思えないというのだ。
ロンドン中心部のパブで飲酒中だった看護実習生クリス・ハリントンは、『The New York Times』紙に対して次のように語っている。
「夜明けまでに、ビールとウイスキーをそれぞれ4パイント(2.3リットル)ずつ飲むと思うよ。飲酒は英国文化に深く根付いているんだ」
なお、1月中旬に改訂された米連邦の栄養ガイドラインには、
「どんな理由であれ、飲酒を始めたり飲酒量を増やしたりすることは推奨しない」
と書かれている。
中程度の飲酒(定義では、男性が1日最大2杯、女性が1日1杯)は、「乳癌や暴力、溺死、転倒による怪我、自動車事故のリスク上昇と関連性がある」とされている。
米国立衛生研究所は、アルコール関連の障害に発展するリスクが低い飲酒習慣
は、男性の場合が「週に14杯以下および1日4杯以下」、女性の場合が「週に7杯以下および1日3杯以下」としている。