薄毛にしても白髪にしても悩ましいものではある。
薄毛が頭皮の問題なのか毛根の問題なのか?分子間水素結合とラセンが関与しているとは驚きである。
重要な17型コラーゲン(Collagen)の生成メカニズムは分からなく化学合成も難しいという。 collagen helical structureも興味深い。この水素結合性3重ラセンの直径が1.5nm。直径1nmの3重ラセンは偶然合成に成功したことがある。
quizlet.com/13707134/g2c-connective-tissue-flash-cards/
quizlet 1
collagen helical structure Gly-X-Y triplet tensile strength fibers & fibrils H-bonds
lysine-crosslinking
hydroxylation of prolines & lysine's
quizlet 2
tropocollagen fundamental unit: rod-shaped helical trimer
tropocollagen fundamental unit: rod-shaped helical trimer
quizlet3
collagen biosynthesis (part I)
1) pro-α collagen synthesis
2) hydroxylation of prolines & lysines
3) glycosylation of select hydroxylysines
4) self-assemby of pro-α chain
5) procollagen helix formation
6) secretion
quizlet 4
collagen biosynthesis (part II) 7) propeptide cleavage
7) self-assembly of fibril: lysyl oxidase crosslinking
collagen biosynthesis (part II) 7) propeptide cleavage
7) self-assembly of fibril: lysyl oxidase crosslinking
quizlet 5 collagen fiber structure
quizlet 5
What type of collagen is an anchoring fibril of the basement mebrane? Type VII collagen: large globular end domain
Type VII Collagen
Type VII Collagen
Type VII Collagen
raregeneticdisorder.blogspot.jp/2013/03/the-genes
コラーゲンは柔らかい組織を保護し、支え、骨格とつなげることで、我々の身体の構造を形作っている。しかし、体内において重要な機能を担っているにもかかわらず、コラーゲンは比較的単純なタンパク質である。
毛穴の小器官が消失=高齢化で脱毛、仕組み解明―必須物質も発見・東京医科歯科大
時事通信 2016年2月5日(金)4時48分配信 headlines.yahoo.co.jp
年を取ると毛が薄くなり抜けてしまうのは、毛を生み出す幹細胞が老化し、毛穴の小器官「毛包」が次第に縮小して消えてしまうためだと分かった。
東京医科歯科大や米ニューヨーク大などの研究チームがマウスの背中の毛と高齢女性の毛髪で解明し、5日付の米科学誌サイエンスに発表した。
幹細胞の老化を防ぐには、細胞と基底膜を結び付ける「17型コラーゲン」が必須であることも発見。
東京医科歯科大の西村栄美教授らは17型コラーゲンの分解を防ぐ物質を探し始めており、西村教授は「5年から10年の間に薬ができれば」と話している。
毛包の縮小は男性ホルモンによる男性型脱毛症に特徴的な現象と考えられていたが、高齢化でも進むことが確認された。早期に17型コラーゲンの分解を防げば、毛を長期間、維持できるという。
毛包では幹細胞が自ら増殖するとともに毛を作る細胞を供給しており、通常は毛の成長と脱毛、休止のサイクルを繰り返している。しかし、年を取るとDNAの損傷を修復できなくなり、17型コラーゲンが酵素で分解されてしまう。
その結果、毛包の幹細胞が本来の能力を失って表皮の角化細胞に変わり、毛包自体も次第に縮小し消失する。
17型コラーゲンが分解されると、毛髪を黒くする色素の幹細胞も枯渇して白髪になる。
研究チームはマウス実験の成果を人間で調べるため、大分県別府市の「くらた医院」の協力を得て、顔のたるみやしわを取る美容整形手術で切除された側頭部の皮膚を分析した。
55~70歳の女性は若い女性に比べ、縮小した毛包が多く、17型コラーゲンの減少を確認できた。
白髪や脱毛は、17型コラーゲンの不足が原因
2011.02.09 matsumotohonmachi.com/shop/hairs/2011/02/post-1.php
東京医科歯科大学(幹細胞医学)の西村栄美教授らの研究グループは、白髪や毛との原因となることをマウスの研究で突き止め、2月4日付の米科学誌Cell Stem Cellに発表した。
それによると
「17型コラーゲンは白髪と脱毛を抑え、欠損すると毛包内の2種類の異なる幹細胞間での相互作用による幹細胞維持機構が破綻するため、白髪や脱毛を発症する」
ことを明らかにした。
毛包幹細胞と色素幹細胞は毛包のバルジ領域付近に存在しているが、色素幹細胞は、黒髪のもとになる色素細胞の供給源となり、毛包幹細胞は毛髪のもとになる角化細胞の供給源となることで、毛が生え変わるごとに色素を持つ毛髪となる。
17型コラーゲンは、ヘミデスモソーム(細胞の結合組織の一つ)を構成する膜貫通性のコラーゲンで、表皮基底細胞を基底膜に強く固着する役割が知られてきた。また、ヒトでは先天的に17型コラーゲンが欠損すると若年性の脱毛が見られるが、その仕組みについては明らかにされていなかった。
今回、毛包幹細胞には17型コラーゲンが高い割合で在り、毛包幹細胞の幹細胞性を維持するという役割を持つと同時に、毛包幹細胞が色素幹細胞のニッチ細胞として機能するためにも必要で、これらの役割により白髪と脱毛を抑えていることが判明した。
そのメカニズムとしては、毛包幹細胞はトランスフォーミング増殖因子ベータータイプ(TGF−β)の作用により色素幹細胞の未分化性や休眠状態を促進制御していることによるもので、17型コラーゲンを失ったマウスでは毛包幹細胞におけるTGF−βの作用がなくなり、隣接して存在する色素幹細胞におけるTGF-βの作用が伝わらないため、色素幹細胞を維持できなくなり若白髪になるが、毛包幹細胞を含む基底細胞でのみ17型コラーゲンを作用させると一連の異常がすべて回復することが判明した。
西村教授は
「頭皮でこのコラーゲンが作られるような薬を開発すると、一部の脱毛や白髪を治療できる可能性がある」
としている。
〔ポイント〕
・毛包幹細胞が発現する17型コラーゲンは、毛包幹細胞の維持に必須であることが判明。
・毛包幹細胞はTGF−βの作用によって色素幹細胞を維持しており、ニッチ細胞として働くことが判明。
・17型コラーゲンが幹細胞の維持によって白髪と脱毛を抑制することから、その予防や治療への応用が期待される。
・毛包幹細胞はTGF−βの作用によって色素幹細胞を維持しており、ニッチ細胞として働くことが判明。
・17型コラーゲンが幹細胞の維持によって白髪と脱毛を抑制することから、その予防や治療への応用が期待される。
〔用語の解説〕
TGF-βとは、トランスフォーミング増殖因子ベータータイプのことである。多機能性蛋白質で、細胞の増殖および分化の調節(状況に応じて促進あるいは抑制作用)の中心的役割を果たす。
TGF-βとは、トランスフォーミング増殖因子ベータータイプのことである。多機能性蛋白質で、細胞の増殖および分化の調節(状況に応じて促進あるいは抑制作用)の中心的役割を果たす。
〔研究成果の概要と意義〕
毛包で機能する組織幹細胞である毛包幹細胞および色素幹細胞は、毛包のなかでも立毛筋が付着する部位であるバルジ領域付近に局在することは知られていたが、毛包幹細胞と色素幹細胞の相互関係や相互作用、その分子メカニズムと白髪・脱毛との関連については明らかではなかった。今回、毛包幹細胞の維持に膜貫通性のコラーゲンが必須であることがはじめて見つかり、毛包幹細胞を維持する仕組みや毛包幹細胞が色素幹細胞のニッチ細胞として機能する仕組みが明らかになった。特に、組織幹細胞自身が他の種類の幹細胞に対してニッチとしての機能を持ちうる点は、これまでに殆ど知られていない重要な知見である。
西村教授らは、黒髪のもとになる色素幹細胞をはじめて発見し、色素幹細胞が枯渇すると白髪になること、色素幹細胞の運命制御においてはニッチが優勢の役割を果たすことなどを明らかにしていたが、その仕組みについては明らかにされていなかった。
これら一連の研究をさらに発展させることにより、白髪や脱毛の予防や治療、アンチエイジングや再生医療への応用に向けての新たな展開が期待できる。
*コラーゲン(Collagen)
pdbj.org/#!mom/4
体内にあるタンパク質の約4分の1はコラーゲン(Collagen)である。コラーゲンは主要な構造タンパク質であり、腱を強くする分子のケーブルや、皮膚や内臓を支える大きくて弾力性のあるシートを形成している。
骨と歯はコラーゲンに鉱物結晶を加えることによって作られる。
コラーゲン三重らせん
コラーゲンは3本の鎖で構成されており、それらが互いに巻き付き合い強固な三重らせんになっている。各鎖とも全体は1400個以上のアミノ酸からできているが、ここに示すのは分子のごく一部、各鎖ともアミノ酸約20個ずつを含む部分である。
そして、3つのアミノ酸を繰り返す配列がこの頑丈な構造を形成している。
3つごとに配置されているアミノ酸はグリシン(glycine)で、これはらせんの内側にぴったり適合する小さいアミノ酸である。残りの大半は、2つの異色なアミノ酸~プロリン(proline)と修飾されたプロリン(ヒドロキシプロリン hydroxyproline)~で占められている。
ただ普通は、この構造にプロリンが含まれるとは考えないだろう。
なぜならプロリンはポリペプチド鎖の中でねじれを作るので、通常の球状タンパク質には適合しにくいからである。しかし後述の通り、この構造タンパク質は丁度適切な形状をとっているように見える。
コラーゲンの安定性に重要なヒドロキシプロリンは、コラーゲン鎖が作られた後、通常のアミノ酸であるプロリンが修飾されることによってできる。
その反応には酸素の付加を助けるビタミンCが必要である。
ただ残念なことに、私たちは体内でビタミンCを作ることができないため、もし私たちが十分なビタミンCを食事で摂取しなければ、悲惨な結果を招きうる。
ビタミンCが欠乏すると、ヒドロキシプロリンの産生が遅れ、新たなコラーゲンの構築が停止してしまう。
そして最終的には壊血病(scurvy)を引き起こす。
歯が失われたり、あざができやすかったりする壊血病の症状は、日々の活動による損傷や摩耗を修復するコラーゲンの不足によって引き起こされる。
食料雑貨店の棚にあるコラーゲン
家畜動物のコラーゲンは、料理でおなじみの材料である。多くのタンパク質と同様、コラーゲンに熱を加えるとその構造は完全に失われる。
三重らせんはほどかれ、鎖も分離する。そして、変性した多くのもつれた鎖が冷えると、スポンジのように周りの水を吸収し、ゼラチン(gelatin)となる。
特別なアミノ酸配列が、強固なコラーゲン三重らせん構造をより安定なものにしている。
鎖のアミノ酸配列では3つごとにグリシンが配置され、残りの多くはプロリン、あるいはヒドロキシプロリンが配置されている。
ここには標準的な三重らせんを示す。これはPDBエントリー 1cag でみることができるだろう。
どのようにしてグリシンがらせん内側の小さな屈曲部を形成し、プロリンとヒドロキシプロリンがらせん外周部で滑らかに折れ曲がった構造を作っているのかに注目して欲しい。
なおこの構造では、通常グリシンが来る位置のアミノ酸がよりサイズの大きなアラニン(alanine)と置き換えられているため、隣接する鎖との間がより詰まった状態になっていることが見てとれる。
私たちは様々な種類のコラーゲンをつくっており、これが成熟した動物では構造を支える長いロープと丈夫なシート状組織とを形成し、発生においては細胞の移動経路となる。これらコラーゲンは、末端部分の型が違うもののいずれも長く伸びた三重らせん構造を持っている。
一番単純なものは、平滑末端(ブラントエンド、blunt end)と呼ばれる末端が揃った単なる長い三重らせんである。
この「I型」コラーゲン分子は、丈夫な線維をつくるため一本のロープの中の繊維のように隣り合って結合している。
これらの原線維(fibril)は、我々が持つ個々の細胞ほぼ全ての間を縦横に行き交っている。一方、上図に示すのは基底膜(basement membrane)で、皮膚や多くの臓器を支える丈夫な面を形成する。この膜の構造基盤をつくっているのは、別の型のコラーゲン「IV型」である。
IV型コラーゲンは一方の端に球状の頭を、反対側の端にはさらに続く尾を持っている。頭部同士は強く結合し、くっついた4つのコラーゲン分子は尾部までを含めた全体で十字形の複合体をつくる。これら2種類の相互作用を使って、IV型コラーゲンは広がったネットワーク(水色で示す部分)を形成する。
また別の2つの分子、十字のかたちをしているラミニン(laminin、青緑色)と長く曲がりくねっているプロテオグリカン(proteoglycan、緑色)、が高密度のシートを作って空間を埋めている。