夫が釣った魚食べた妻と娘、筋肉痛や倦怠感訴え
2013年11月29日14時10分 読売
熊本県は28日、50歳代の女性と30歳代のその娘がハタ科の魚を食べ、食中毒になったと発表した。
2人は、筋肉痛や倦怠(けんたい)感などを訴え、入院したが、快方に向かっているという。
県によると、2人は25日、上益城郡内の飲食店で、女性の夫が鹿児島県沖で釣った魚を刺し身や塩焼きなどに調理してもらい、3人で食べた。
県は、血液検査の結果などから、アオブダイやハタ科の魚の体内に蓄積する「パリトキシン様毒」が原因の食中毒と判断した。
厚生省
熱帯地域でイワシ類を原因として発生するパリトキシン中毒(クルペオトキシズム)とは中毒症状が若干異なる。
クルペオトキシズムは不快な金属味を感じるのが特徴で、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、悪寒、筋肉痛、血圧低下などの症状を呈し、重篤の場合は顔面蒼白となり、早いと15分程度で虚脱死する。ヒトの中毒事例はないが、カワハギ科ウスバハギ属のソウシハギも消化管や内臓にパリトキシンをもち、これによる家畜の死亡例がある。
パリトキシン (palytoxin)
Wiki情報
海産毒素の1種。非ペプチド性の化合物ではマイトトキシンに次ぐ猛毒である。1971年に、ハワイに生息する腔腸動物イワスナギンチャク Palythoa toxica から初めて単離された。分子式はC129H223N3O54、分子量は2680。
多糖類やタンパク質といったポリマー系の生体高分子ではなく、構造式が正確に定まるような天然有機化合物の中では最大の部類に入る。名称は、Palythoaから分離されたことに由来する〔paly+toxin(毒)〕。
もともとはシガテラ中毒の関連毒素と考えられていたが、現在はアオブダイ食中毒の原因物質と同定されている。
作用機序
ナトリウムチャネルに対し何らかの形で作用して、細胞膜のナトリウムイオン透過性を増す。フグ毒のテトロドトキシンの作用と反対である。Na+-K+ATPアーゼに対する特異的作用を示す。
県内で同じ毒による食中毒が起きたのは初めてだが、全国では1953年から昨年4月末までに7人が死亡しているという。