セリ摘みの時期である。
子供の頃、祖母に連れられて路傍のセリ摘みをしたが、必ず似た形のドクゼリも共存していた。祖母は判別できたが私は今でもわからない。
毒セリにはポリイン化合物Cicutoxinという猛毒成分がある。C=C2重結合3つと3重結合2つのとても興味深い構造をしている。沸点が35℃と低く、分解するという。
昔は駒でも死んだらしい。やはりスーパーに売っているセリが安全か。
lab2.toho-u.ac.jp/phar/yakusou/tyuudoku%20_jirei
mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082096
ヒト致死量 50mg/Kg と推定、 LD 50 ( mouse, ip ) 9.2mg/Kg, ( cat, po )1)
Cicutoxin 類は、吸収が早いので迅速な治療が必要。
呼吸困難に対して気道を確保し、酸素吸入を、痙攣に対してはペンとバルビタール等の抗痙攣薬の静注が必要である。また、強制利尿や血液透析などにより体外への排出を行うこと。2)
1)Natural Products, editors W. Steglich et. al. (2001)
2)古泉秀夫:医薬品情報 21(2007)
Wiki
シクトキシン (Cicutoxin)
シクトキシン (Cicutoxin)
ドクゼリに含まれる化学物質であり、猛毒成分である。
類似化合物にファルカリノール、ファルカリンジオール、エナントトキシンがあり、いずれもセリ科の植物から発見されている。
化学式C17H22O2、分子量258.39 g/mol。アルカロイドではなく、3つの二重結合と2つの三重結合を持つアルコールの一種。
IUPAC名は(8E,10E,12E)-heptadeca-8,10,12-triene-4,6-diyne-1,14-diolである。CAS登録番号は[505-75-9]。
1915年にC.A. Jacobsenにより発見されたが、構造が突き止められたのは1953年になってからであり、1955年に初めて全合成された。
単体は黄色の油状液体であり、ニンジン様の臭気を有する。
シクトキシンは中枢神経系の延髄及び中脳を刺激し、強直性の痙攣、頻脈、呼吸困難を起こして最悪の場合死に至る。
人の致死量は50mg/kg。消化管だけでなく皮膚からも吸収されるため、ドクゼリの汁を塗って死亡した例もある。
セリと毒ゼリの見分け方
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