難聴、内耳の毛の異常原因 遺伝子特定、マウスに症状
2016年10月5日 20時28分 中日新聞
遺伝性の難聴は、特定の遺伝子の異常により、音を捉える内耳の「毛」の形が崩れることが一因になって起きることを、神戸大や京都大のチームが解明し、5日付の欧州分子生物学機構の科学誌電子版に発表した。
この遺伝子を操作して人間と同じ難聴の症状を示すマウスの作製に成功しており、毛の形を正常にする治療薬の研究、開発に役立つという。
神戸大バイオシグナル総合研究センターの上山健彦准教授(脳科学)は「生まれたときからの難聴だけでなく、高齢になって発症した場合の治療にも応用できるようになれば」と話している。
遺伝性難聴は、新生児の約千人に1~2人が発症する。
(共同)
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蝸牛管はラセン状の盲管で、ラセン靱帯によって蝸牛の内側壁と外側壁のあいだにある。蝸牛管の天井は前庭膜がつくり、床は基底膜と骨ラセン板の外側部がつくる。
聴覚刺激の受容器はラセン器(Corti器)で、基底膜の上に乗っている。その上にはゼラチン状の蓋膜が被さっている。
ラセン器には有毛細胞があり、音波によって生じた内リンパの振動に反応する。