木の実不足、クマ出没増か 滋賀県、長浜・高島で予測調査
2016年10月26日 15時30分 京都新聞
滋賀県は、今年はクマの餌となるミズナラなどの木の実の量が少なく、餌を求めて人里への出没が多くなるおそれがあるとする予測結果を公表した。
これまでも木の実が不作や凶作だった年には出没が急増しており、県は「家の近くに生ごみを置かないなどの対策を」と呼び掛けている。
県は毎年、クマの出没を予測するために長浜、高島両市の計4カ所でクマが好むブナとミズナラ、コナラの量を調査し、実の付き具合から「豊作」「並作」「不作」「凶作」の4段階で判定している。
今年、
ブナとコナラが不作、
ミズナラは凶作
だった。
2004年度以降でクマの年間出没件数が322件と最も多かった10年度は、3種の木の実のうち2種が凶作、1種が不作だった。
一方、1種が並作、2種が不作だった昨年度は出没が103件だった。
今年凶作と判定されたミズナラは比較的標高が高い山地に生育しており、県自然環境保全課は
「山の上に食べ物がなく、クマがふもとや集落にまで来るおそれがある」
とみる。
クマは12月ごろからの冬眠に備えるため、秋から食べる量が増える。10年度は年間322件の出没のうち、7割近くが10月以降だった。同課は
「過去に出没があった地域では単独での行動はなるべく避け、外出時にはラジオや鈴を付けてクマとの遭遇を防いでほしい」
としている。