3D映像で眼科手術 愛知医科大病院が国内初の機器導入
2017年1月27日 中日新聞
愛知医科大病院(長久手市)は、眼科の手術に使う日本アルコン社の「HUSシステム」を国内で初めて導入した。
3D映像を見ながら手術することができ、患者の負担軽減や医師育成の効率アップが期待される。
HUSはHeads-up surgeryの略で、頭を上げて行う手術の意味。
従来の眼科の手術は、顕微鏡をのぞきながら行う。
HUSシステムはデジタルカメラとモニター映像などを一体化させたシステムで、顕微鏡に装着されたデジタルカメラを通して映像を3Dテレビに映し、3Dメガネを付けて立体映像を見ながら手術をする。
目の病気全般に対応することができる。同システムは海外では主流という。
映像は、色彩や色調、光の加減などを調整することが可能。
通常、水晶体より奥側の手術では、眼球に光ファイバーを通して目の中を照らしながら手術するが、HUSシステムでは、映像を編集することで、従来の五分の一から十分の一まで眼球内の照明を落とすことができ、目に与える負担を軽減する。
同病院によると、手術をしている医師が見ているのと同じ映像を周囲の医師もモニターで見ることができるため、若手医師の育成の効率も上がるという。これまでは、助手一人だけが近くの顕微鏡をのぞくなどして学んでいた。
愛知医科大病院眼科学講座の瓶井資弘教授は
「顔を上げているので、顕微鏡をのぞくときの余計な力が入らずストレスも少ない」
と説明。
「慣れの問題もあるが、映像の調整を含めて手術の質を上げていきたい。特に若手の教育には、最適だと思う」
と歓迎した。
(村松秀規)