みちびき2号打ち上げ成功=日本版GPS、4基体制へ-測位精度が向上・H2Aで
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日午前9時17分、日本版GPS(全地球測位システム)の実現を目指す政府の準天頂衛星「みちびき」2号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Aロケット34号機で打ち上げた。
みちびき2号は約28分後にロケットから切り離され、予定の軌道に投入された。打ち上げは成功した。
みちびきは米国のGPSを補完する日本独自の測位衛星。
GPSの測位情報を補正して誤差を1メートル程度に縮小するほか、国土地理院が全国に設置した電子基準点と連携し、数センチ~数十センチ単位の精密測位を実現する。
GPSと異なり、日本のほぼ真上(準天頂)にいる時間が長い軌道を飛ぶため、ビルの谷間や山間部など電波の届きにくい「死角」を減らす効果もある。
軌道の関係で、みちびき1基が日本上空をカバーするのは1日約8時間。24時間運用には最低でも3基が必要になる。
みちびきを所管する内閣府は、2010年の1号機と今回の2号機に続き、年内に2基(うち1基は静止軌道に投入)を打ち上げて4基体制を構築し、来年4月から測位データの提供を開始する。
みちびきの信号を受信するには対応端末が必要で、米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)7」などが対応している。
既に始まっている実証実験では、建設工事や農作業の自動化、高度なナビゲーションシステムなど、さまざまな利用に向けた検証が進められている。
(2017/06/01-10:11時事)