医学、分子生物関係の研究者らに大金を与えすぎる。傲慢になり院生や助教らの捏造が常態化する。
2016年3月16日 / 最終更新日 : 2016年8月3日
渡邊嘉典教授が2015年度内藤記念科学振興賞を受賞
渡邊嘉典教授が2015年度内藤記念科学振興賞を受賞
東京大学分子細胞生物学研究所染色体動態研究分野 渡邊嘉典教授が、2015年度内藤記念科学振興賞(内藤記念科学振興財団 理事長=内藤晴夫・エーザイ社長)が授与されました。
本賞は人類の健康の増進に寄与する自然科学の基礎的領域において、進歩発展に顕著な功績のあった研究者に対して授与されるものです。
渡邊教授は1984年東京大学理学部生物化学科卒業後、1989年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院理学系研究科助手、英国王立がん研究所(ICRF)客員研究員、東京大学大学院理学系研究科助教授を経て、2004年5月より本学分子細胞生物学研究所教授を務めております。
今回の受賞は『体細胞分裂と減数分裂における染色体の方向を決める分子機構』により、その研究業績が高く評価されたものです。
東大教授らの論文5本不正認定…実験せずグラフ
2017年08月01日 22時53分 読売
東京大は1日、分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授らが国際的な科学雑誌に発表した研究論文5本について、改ざん・捏造といった研究不正を認定したと発表した。
匿名の告発に基づく内部調査で判明した。東京大では2014年にも同じ研究所で論文に不正が見つかっている。
調査報告書によると、不正行為が認定されたのは、渡辺教授と部下だった丹野悠司・元助教。
問題の論文5本は、細胞分裂にかかわる染色体の働きなどの研究をまとめたもので、改ざん10か所、捏造6か所の計16か所の不正が認定された。
実験を行わずにデータを捏造してグラフを作成したり、画像の濃淡を加工して差があるように見せたりしていた。
いずれも08~15年に、ネイチャーやサイエンスなどの主要雑誌に発表された。
調査は、告発があった05年以降の論文7本について行った。
東京大は、渡辺教授が04年の教授就任後に発表した他の論文26本についても不正の有無を年内に調べ、渡辺教授らの処分や論文の修正・撤回の勧告、同研究所の体制改革を検討する。
不正があった論文にかかわる研究には、国などから計14億8000万円が助成されており、返還も協議する。
渡辺教授は、細胞分裂にかかわる研究などで15年度に朝日賞や武田医学賞を受賞し、業績が注目されていた。
渡辺教授は読売新聞の取材に対し、
「論文に不適切な画像操作を含む図表が掲載されましたことを心よりおわび申し上げます。結論を覆そうとする意図で行ったものではなく、必要な修正作業を進めております」
と書面でコメントした。
告発では、別の医学系研究科の教授ら5人が関係した論文15本にも疑いが指摘されたが、東京大はいずれも不正はないとした。