いじめ対策で住民が校内見回り 大津、2小学校で試み
2017年08月30日 15時30分 京都新聞
大津市教育委員会はいじめ対策として、地域の住民が昼休み中の小学校で子どもの見守りをする事業を始める。
いじめが増えやすい夏休み明けの9月の1カ月間、市内の2校で試行し、トラブルの早期発見を目指す。来年度以降に実施校を増やしていく方針。
市が昨年、児童3334人に実施したアンケートでは「いじめを受けた時期」が夏休み中の8月は16・8%だったが、9月は29・9%と1年で最も高かった。
子どもの生活リズムが不安定で、運動会などを控え学校が慌ただしい時期だという。アンケートでは、昼休みにいじめ被害に遭ったという回答も多かった。
地域住民が校内パトロールをするのは、木戸小(児童277人)と瀬田小(同1185人)。登下校時の見守りをして児童と面識のある人たちがボランティアとして、昼休み中の教室やグラウンド、図書室などを見て回る。子どもと会話したり、一緒に遊ぶことも想定する。
担任の教諭は昼休み中、教室にいるが、多忙な時期で異変に気付けないケースもある。
住民らは、周囲から孤立した子がいたり、度の過ぎた悪ふざけを見つけた場合、休み時間後に学校に報告する。
児童への指導は基本的に行わない。
木戸小は9月5~29日、瀬田小は同6~28日の平日に行う。
計97人の住民がボランティアとして登録している。大津市教委は
「より複数の目で子どもを見てもらい、いじめや学校事故の未然防止につながれば」
と期待している。