驚きの進化遂げた「防犯カメラ」、女子マラソン元代表の万引きでも映像決め手に 元県警・田野氏「初動捜査で必須に」
2017.9.1 11:18
Sankei
陸上の世界選手権女子マラソン元日本代表の原裕美子容疑者(35)が栃木県内のコンビニで万引したとして窃盗容疑で逮捕された事件は、防犯カメラの映像が決め手となった。
画質が飛躍的に向上、顔認識機能を持つ機種もあるなど驚きの進化をとげており、長年犯罪捜査の現場に携わった元刑事も「10年ほど前から捜査には欠かせなくなった」と話す。(夕刊フジ)
原容疑者が犯行に及んだとされるのは7月30日のことだ。その後、在庫整理で商品が足りないことに気付いたコンビニ店長が8月3日に警察に届け、防犯カメラの映像などから原容疑者が浮上した。
防犯カメラの映像というとぼんやりしたものを思い浮かべがちだが、東京都内の販売業者は
「現在の主流モデルはフルハイビジョンもしくは4K映像で撮影され、画素数は200万か400万。レジの近くに設置される防犯カメラの映像を例にとれば、お札や硬貨の種類のほか、どこの会社のクレジットカードなのかまで判別できる」
と話す。
コンビニのようにカメラの存在を示すことが防犯につながることもあれば
「銀行では、0・5~1センチの穴から撮影するピンホールカメラをATM(現金自動預払機)にセットすることがある。『これが振り込め詐欺の犯人です』などと書かれたポスターに載っている人物の顔写真の多くは、こうしたカメラで撮られたものだ」
とも。
こうした性能を持つカメラは実売価格で1台10万円前後、撮影した映像を保存するレコーダーは40万~60万円ほどするという。
元千葉県警警部で行政書士の田野重徳氏は
「2005年あたりから映像の質が飛躍的に向上したと感じる。その頃から従来の聞き込みに加えて防犯カメラの映像探しが初動捜査では必須となった」
と振り返る。参考にするのは映像に映る人物はもちろん、
「連続強盗事件などの場合は、現場から現場への経路に設置された複数のカメラに似たような車が映っていないか確認した」
という。
田野氏は
「防犯カメラは事件性の有無を判断する上でも役立つ。無駄な捜査をする必要がなくなった点でも、その存在は大きい」
とも話す。
田野氏によれば、大手スーパーには万引対策として、顔認識機能付きのカメラを設置するところもあるという。悪いことはできない。