私の幼い頃の遊び友達が空腹を耐え切れず青いウリを食べて腸閉塞で急死したことを思い出した。つい最近までなぜウリで死んだのかと思っていたところこの事件である。ようやく原因が判明した。苦味成分のククルビタシンのためであった。
ウリ科に含まれる苦味分子ククルビタシンでKidsらが食中毒という事件。昔の様に苦いキュウリが姿を消したので今のキュウリにはククルビタシンが 含まれていないという(www5.plala.or.jp/nijiya231-9288/Yasai_Kata/kyuuri/kyuuriQA_1)。苦いものは食べないのが基本である。
Wikiで勉強しましょう。ステロイド主体のこの構造で何故中毒?α、β不飽和ケトン構造に由来というが?
ククルビタシン(cucurbitacin)の構造 (ganfyd.org/index.php?title=Cucurbitacin)
ククルビタシン(cucurbitacin)の毒性発現
(Fitoterapia、Volume 82, Issue 8, December 2011, Pages 1190–1197)
ウリ科植物に特有のステロイドの一種であり、トリテルペンに属する。キュウリ、メロン、スイカなどのへたに近い部分に含まれる。通常は含量が少ないため苦味までは感じない。
しかし、ゴーヤに多く含まれ、モモルデシチンとともに強烈な苦味の元になっている。また、ヨーロッパに生息するキノコの一種Leucopaxillus gentianeus(キシメジ科オオイチョウタケ属)の苦味成分としても知られる(成分はククルビタシンB)。
AからRまでの種類があり、Cは特に苦いが抗癌作用があることが知られている。ククルビタシンBのCAS登録番号は[6199-67-3]である。
ヘチマやユウガオなどの一部の株において稀にククルビタシンを多く産生するものが混じって流通することが知られており、自家栽培したものなどを苦味を我慢して食べたことによる食中毒事例(おう吐や下痢等)もある。ヒョウタンによる食中毒事例もある。
ヒョウタンの実食べ、児童17人が食中毒症状
2013年7月4日22時24分 読売
大阪府茨木市教委は4日、市立小学校の理科の男性教諭(63)が授業中、4年生の児童28人に校内で栽培しているヒョウタンの実を食べさせ、このうち17人が嘔吐(おうと)するなど食中毒症状を起こしたと発表した。
府によると、実に含まれる「ククルビタシン類」という苦み成分が原因とみられるという。
発表によると、教諭は2日の2時間目から6時間目にかけて、4年生5クラスの授業で、希望した児童に実を切って食べさせた。
児童らは嘔吐や腹痛、下痢などの症状が出て、3人が病院で治療を受けた。
複数の児童が給食時間中に変調を訴え、担任が校長に報告。
校長は
「ヒョウタンの実が原因のようだ」
と教諭に注意したが、教諭は午後も食べさせた。
「ククルビタシン類」は、ウリ科の植物に広く含まれており、多く含んだ実を食べると、中毒症状が出ることがある。市教委の聞き取りに
「子供から食べないのかと聞かれ、つい与えてしまった。食中毒の原因になるとは知らなかった」
と話しているという。
教諭は退職後、2010年4月から再任用されていた。
fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03460440464
オーストリア保健・食品安全局(AGES)は10月21日
「なぜヒョウタンは食べられないのか?」を公表した。概要は以下のとおり。
ヒョウタンを含むウリ科植物は世界中で各国固有のものがあり、広く利用されている。数千年の間に、ヒトは苦い野生植物から、苦みの少ない品種を選択して増やしてきた。
ヒョウタンを含むウリ科植物は世界中で各国固有のものがあり、広く利用されている。数千年の間に、ヒトは苦い野生植物から、苦みの少ない品種を選択して増やしてきた。
ウリ科植物には、きゅうり、かぼちゃ、ズッキーニ、メロン及びすいかが含まれている。
すべてのうり科植物が食べられるのではない!
観賞用ウリ科植物((独)Zierkurbisse)は苦み成分を含んでいる。
観賞用ウリ科植物は苦み成分であるククルビタシンを含んでいる。
この物質は嘔吐と下痢を伴う重篤な胃及び腸不全を引き起こす可能性がある。この植物毒は、非常にまれに死亡に至るほどの食中毒を招くことがある。
ククルビタシンはウリ科植物及びゴマノハグサ科(例えば、オオバコ)に含まれる苦み成分である。ク
クルビタシンは四環式テルペノイドのグループに属しており、40種類の種々のククルビタシンがあり自然に産生する。
これらの苦み成分は、昆虫の攻撃から植物を保護し、同時に昆虫のステロイドホルモンに拮抗作用し、それらの成長を阻害する。また、特にククルビタシン B、D、EI及びQでは抗がん作用の研究が実施されている。
消費者はそのウリ科植物を少量生で試食することにより、苦いかどうかは簡単にすぐに知ることができる。
無害のウリ科植物は、無味又は甘味がある。
注意すべきは、特に趣味の菜園で栽培されている場合又は他のヒトから提供されたウリ科植物である。
多くの菜園では、食用と観賞用のものを混植するので、交雑が起こる可能性がある。
採取された種子により、翌年には苦味のあるものができる可能性がある。