臓器移植された患者が他人の臓器で悩むという話は昔からあったが。7臓器間ネットワークは7惑星間の相互作用のようなものか?
atrial natriuretic peptide (ANP)
意思持つ臓器 人工臓器ならメッセージ機能どうなる?
2017.11.16 16:00 news-postseven.com
NHKスペシャルで放送中のシリーズ『人体 神秘の巨大ネットワーク』が大反響を呼んでいる。
全8回にわたる大型企画だが、最大の驚きは「臓器間のやりとり」が明らかにされたことだ。
つまり、これまでの常識である
「脳=司令塔として各臓器に命令を出す」
という考え方ではなく、各臓器が独自にそれぞれのメッセージを携えた物質(メッセージ物質)を放出し、血管や神経を通じてほかの臓器や細胞などと直接やり取りをする「横のつながり」があると伝えたのだ。
となれば、各臓器は人間というマシンを円滑に動かすいわば「歯車」と考えられていた常識は覆され、各々が補完しあう関係の単なる「部品」とはいえないということになる。
だが、そこで誰もが思い浮かべる「疑問」が番組では説明されていない。
他人の臓器を提供されたら体内は大混乱にならないか? ということだ。
東野圭吾の小説『変身』では、脳移植された登場人物の性格が時間の経過とともに変化した。
これはあくまでSFの話だが、もし臓器が脳のようにメッセージを発するならば、「他人の臓器」が移植されたときに体内は大混乱になってしまうのではないかと想像してしまう。
専門家は「その可能性はない」と答える。
番組に出演した自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部の黒尾誠教授が解説する。
「移植した内臓が体内に定着すれば、メッセージ物質のやり取りや臓器ネットワークの働きは“別人”の臓器を移植した後でもほぼ完全に再構築されると考えられます。
別人のものでも、そこから発せられるメッセージ物質は同様のものと考えられる。不思議に感じられるかもしれませんが、それが人体の持つ特別な力なのです」
国立循環器病研究センター・研究所担当理事の寒川賢治氏は、
「心臓移植した場合でも、その後、メッセージ物質のANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は分泌される」
という。
では、「人工臓器」を入れた場合、「メッセージ機能」は失われるのか。
現在、「人工心臓」など人工臓器の研究が世界的に進んでいる。
ただし現在普及しているのは、「補助心臓」と呼ばれる心臓のポンプ機能を助けるもので、心臓全てをそっくり人工物で代替するまでには至っていない。前出の寒川氏が説明する。
「メッセージ物質のANPはほとんどが心房で作られています。あくまで仮定ですが、もし心臓全体を人工のものに入れ替えた場合、血液を全身に送り出すポンプとしての機能は果たせても、ANPを作ることができなくなってしまう。
そうなると尿も作られなくなり、ナトリウムなど様々な電解質が排出されなくなる。そうなると、ANPを投与し続けるか透析をすることになってしまう。そのため心臓などの臓器を人工物で代替することは現代医学では難しいとされています」
※週刊ポスト2017年11月24日号
cvphysiology.com/Blood%20Pressure/BP017
Atrial natriuretic peptide (ANP) is a 28-amino acid peptide that is synthesized, stored, and released by atrial myocytes in response to atrial distension, angiotensin II stimulation, endothelin, and sympathetic stimulation (beta-adrenoceptor mediated).
Therefore, elevated levels of ANP are found during hypervolemic states (elevated blood volume), such as occurs in heart failure.
ANP is first synthesized and stored in cardiac myocytes as prepro-ANP, which is then cleaved to pro-ANP and finally to ANP. ANP is the biologically active peptide.
A second natriuretic peptide (brain-type natriuretic peptide; BNP) is a 32-amino acid peptide that is synthesized largely by the ventricles (as well as in the brain where it was first identified).
BNP is first synthesized as prepro-BNP, which is then cleaved to pro-BNP and finally to BNP. Like ANP, BNP is released by the same mechanisms that release ANP, and it has similar physiological actions.
Proteolysis of pro-BNP (108 amino acids) results in BNP (32 amino acids) and the N-terminal piece of pro-BNP (NT-pro-BNP; 76 amino acids). Both BNP and NT-pro-BNP are sensitive, diagnostic markers for heart failure in patients.
Neutral endopeptidase (NEP; also called neprilysin) is a circulating enzyme that degrades natriuretic peptides. Therefore, inhibition of this enzyme increases circulating levels of natriuretic peptide and potentiates their effects.