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冬場こそ手洗いと加熱でノロ予防

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冬場でも食中毒にご注意 手洗いと加熱でノロ予防

  2017年12月15日 15時10分     京都新聞

食中毒の一つ、ノロウイルスの感染が気になる季節になりました

食中毒というと、夏のイメージをもちがちですが、実は四季に応じて発生パターンが異なります。傾向と予防について話を聞きました。

 ■煮込み料理も原因に

 食中毒の原因は大きく分けて、ウイルス性と細菌性がある。

冬場に感染事例が増えるのがウイルス性で、代表的存在がノロウイルス。理由は

乾燥してものがさらさらし、ウイルスがくっつきやすくなるから

と京都市健康安全課の中村正樹課長は説明する。

「ウイルスは人の粘膜から入る。粘膜が乾燥すると風邪をひきやすくなるのと同じで、人の体に取り込みやすくなります」

 かつてはカキなど汚染された二枚貝が主な感染源だったが、最近はノロウイルスの感染者が調理した食べ物にウイルスが付着して体内に取り込まれるケースが増えているという。

「予防方法は、十分な手洗いと加熱、そして調理器具などの消毒。

水だけの手洗いでは手の脂によって水がはじかれてしまいウイルスを流せない。せっけんで洗うのが絶対条件です。

帰宅後、食事前、トイレの後など重要なポイントで洗ってください。

サラダやサンドイッチなど生ものを調理する前も必須」

イメージ 1

 一方、暖かくなると増えるのが、カンピロバクターやウエルシュ菌、腸管出血性大腸菌O157といった細菌性食中毒だ。

自ら増殖する能力があるため、湿度や温度が高くなると一気に増える。

 とはいえ、冬場でも安心できないという。

例えばカンピロバクターによる食中毒は、鶏肉が原因になることが多い。

京都市が2010~16年度の間、市内に流通した鶏肉555体を調べたところ、293体が陽性反応した。

検出率は実に52・8%に上る。

「食中毒事例の多くは、刺し身や加熱不十分の鶏肉を食べたこと。鶏肉は値段が手頃なこともあって、学生など10~20代の患者が多発している」

 ウエルシュ菌による食中毒にも気をつけたい。

肉や魚介、野菜などを使ったカレーやシチューなどの煮込み料理が原因になることが多いという。

「この菌は特殊で、芽胞を作って身を守るので100度でも死なない。煮物が冷めてきて60度以下になると、芽胞が割れて増殖。毒素を出します」

調理後すぐに食べるのが、何よりの予防策だ。保存する場合はだらだらと冷まさず、速やかに冷却を。

 O157で気をつけたいのが、バーベキューで生肉を焼く時。

生肉を扱う専用トング、食べる専用の箸と必ず使い分ける。しっかり焼くのもポイントだ。

 サバなどで報告の多いのが、寄生虫「アニサキス」による食中毒だ。こちらはほぼ通年ある。

対策としては新鮮な魚を選び、すぐに内臓を取り除くこと。

鮮度が落ちると、アニサキスは内臓から筋肉に移動するからだ。

70度以上で加熱すると瞬時に死滅する

一般的な料理で使う食酢、食塩、ワサビの量では死なないという。

 ■ポイントは、つけない・増やさない・殺菌する

 食中毒を起こさないために、家庭ではどう工夫をしたら良いのだろうか。ベターホーム協会京都教室で講師を務める清水恵子さん(61)に話を聞いた。

 食中毒予防には3原則があるという。「ウイルスや細菌をつけない」「増やさない」「殺菌する」だそうだ。

 「まずは清潔。指輪や時計が隠れみのになるので、しっかりと手洗いを。まな板は肉魚用、野菜用と使い分けてください」

調理器具は使い終えたらその都度洗う。

「一日の最後に絶対してほしいのが熱湯消毒。まな板や包丁、スポンジ、ふきんなど、熱湯をかけることを習慣に」

冷蔵庫内やキッチン台に肉の汁(ドリップ)がこぼれたら、アルコールスプレーで適宜ふくのも手だ。

 弁当のおかずや常備菜は、水分を残さないのがポイント。

「調理は焼く、揚げる、炒めるです。いり煮などして、水分を飛ばしきってください」

弁当に生のレタスやパセリを入れるのは食中毒の可能性が高くなるという

ブロッコリーはゆでたものをいれがちだが

「水分をなくすために、ゆでた後はチーズを乗せてオーブンで焼くなどするといいですよ」

 味付けは少し濃い目を心掛けよう。

「塩や砂糖は水分を取り込む性質があり、食品が傷みにくくなる。酢の抗菌効果も期待できます。いつもの味付けに、ほんの少し酢を入れてみても」

 汁物が持ち運べるスープジャーの場合、菌を一度取り込むと増えやすい。

「菌が増える温度帯を避けるなどして、上手に活用を。みそ玉を持参し、コップにお湯で注いで飲む方法もお勧めです」

 シチューやおでんなど、数日間かけて食べる料理を楽しむ季節になってきた。

冬場だからといって、鍋のまま常温放置はしないこと。機密性の高い住宅や暖房が効いた部屋では、菌の繁殖を促す。

 「作ったら、小分けにして氷水などで素早く冷ました後に冷蔵庫で保存を。食べる前には必ず熱を入れて」

カレーやシチューの場合、汁に粘り気があるため、均等に温度が上がりにくい。

「表面が沸騰していても必ず混ぜて、中心まで熱が入っているかを確認してください」

 ■記者も、のたうち回った経験

 食中毒はこれまで2回経験した。中学生の時に、カツオのたたきを食べて、数時間後にのたうち回った。2年前は家族間でノロウイルスに感染して、自宅に10日間こもった。

今回、季節に応じて、いろんな種類の食中毒があることを知った。手洗いはしていたけれど、水だけでシャーと流していたことも。

「あの苦しさを再び味わいたくない」

と痛感し、今はきちんとせっけんで洗うようになった。


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