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火渡り神事、宮司急逝で中止 滋賀、危険伴い継承は困難
2018年01月31日 18時00分 京都新聞
燃やした護摩木の上を素足で歩く滋賀県野洲市永原の菅原神社の「火渡り神事」が、今年から中止となる。行事を長年営んできた村田清行宮司=享年(80)=が昨秋に急逝し、神事の継承が難しくなったためといい、氏子らは
「残念だが、参拝者の安全を守るため仕方がない」
と話している。
同神社では鎌倉時代から護摩木を燃やすお火焚(ひたき)神事が行われており、火渡り神事は1975年に村田宮司が氏子の無病息災を祈願するため、お火焚神事の護摩木の燃えがらを使って始めた。
神社での火渡りは全国的にも珍しく、毎年大勢の参拝者が訪れていた。
火渡り神事では、氏子の願いが書かれた護摩木の燃えがらを広げて火床にする。
煙がくすぶる火床の温度は約300度。村田宮司が冷水で体を清め、ご神体を持ち、渡り初めを行う。
続いて参拝者が熱さに耐えて歩き、墨汁で自分の足形を紙に写し、お守りとして持ち帰っている。
今年も2月25日に行う予定だったが、昨年10月に村田宮司が突然倒れ、亡くなった。
宮司の職は長男が継いだが、危険を伴う火渡り神事の継承は難しく、氏子との話し合いの結果、中止が決まった。
お火焚神事は、午前10時から例年通り行う。氏子の寺村正弘さん(76)は
「火渡り神事を行うのは当面の間、難しい。これまで火渡り神事を続けてくれた村田宮司に感謝している」
と話している。