大学の基礎実験からも硫黄関連のものは排除されて久しい。設備の不十分な高校でこのような実験がなされているのですね。寒冷地の今時期は果樹の病気防除のため硫黄石灰を播いている。私ももう5回ほど。
硫黄温泉にも良く行く。硫黄好きの私もワインに含まれる酸化防止剤二酸化硫黄は苦手である。飲酒後、頭痛が酷くなる。特に白ワインは飲めない。偉い先生方は赤ワインが好きな人が多く、誘われると酷い目に会う。
硫黄化学の面白さよ。同僚で入試に硫黄化学の穴埋め問題を出したが、受験生から批判された手紙が事務局に届き、困っていた。
手紙によると貴大学の入試化学は暗記と計算ばかりでつまらない。天下のT大のような受験生に考えさせる問題がなぜ出来ないのかと!
butane.chem.uiuc.edu/pshapley/Environmental/L14/4
まあ確かに穴埋め問題はひどいものであった。受験生にまるで考えさせるところがなかった。
applc.keio.ac.jp 同僚の入試問題はこんな感じであった。受験生の怒りもごもっともである。
さて霧島硫黄山がまた小噴火である。
啓林館
理科実験で二酸化硫黄 埼玉の女子高で12人救急搬送
2018.4.27 10:59 Sankei
埼玉県教育局は26日、県立春日部女子高校(春日部市粕壁東)で、1年生の理科の実験中に生徒が誤って二酸化硫黄を発生させ、生徒と教諭計12人が救急搬送されたと発表した。いずれも命に別条はないが、生徒3人が入院した。
県教育局によると、同日午後1時20分ごろ、生徒が化学基礎の授業中、硫黄の粉末を入れた試験管をバーナーで加熱した後、誤って試験管ごと水に入れてしまった。
驚いた生徒は試験管を水から引き上げた際に割れ、酸素と反応して二酸化硫黄が発生したという。
授業には生徒41人、教諭1人、実習助手1人が参加していたが、12人がのどの痛みなどを訴えた。
yck********さん
.硫黄の加熱融解についてです
硫黄の粉を試験管で長時間熱すると、色が、黄色→赤色→黒色となりました。
これはどうしてなのでしょう?
これはどうしてなのでしょう?
また、最初は粉だった硫黄がどんどん固体に近づいていました。
これは、S+O2 → SO2 という反応が起きたからでしょうか?
それから、その固体を水に入れるとゴム状になりましたが、これには単斜硫黄、斜方硫黄、ゴム状硫黄の変化が関係しているのですか?
質問が多くて済みませんがよろしくお願いします。
aha********さん
.硫黄は30以上の同素体あります。
通常、天然には同素体は環状のS8硫黄でそれは常温、常圧で固体でS8硫黄は3つの結晶形を持つ。
α硫黄(斜方硫黄) - 融点112.8℃、比重2.07、淡黄色斜方晶
β硫黄(単斜硫黄) - 融点119.6℃、比重1.96、淡黄色単斜晶
γ硫黄(単斜硫黄) - 融点106.8℃、比重1.955、淡黄針状晶
β硫黄(単斜硫黄) - 融点119.6℃、比重1.96、淡黄色単斜晶
γ硫黄(単斜硫黄) - 融点106.8℃、比重1.955、淡黄針状晶
いずれも、S8硫黄を単位構造とする結晶ですが、95.6℃以下では斜方硫黄が安定となり、それ以上の温度では単斜硫黄系が安定です。
また、250℃まで加熱すると50万個以上の硫黄原子が繋がった直鎖状硫黄 (Sn)となり、これはゴム状硫黄またはプラスチック硫黄とも呼ばれます。
S8硫黄は融点直上の温度では粘性も低い黄色ですが、温度が上昇するにつれて直鎖状硫黄へと変化が進み159.4℃以上では暗赤色で粘性が増大し流動性を失います。
この温度以上ではS8硫黄の環が解裂し、直鎖状S16、S24などのオリゴマー化が進行し直鎖状硫黄 (Sn) が形成されます。
さらに加温すると、直鎖状の分子が切れて再び流動性を取り戻し、沸点の445℃にいたります。
また、暗赤色の150–195℃の硫黄を冷水に投入すると、鉄分など不純物を含む場合は黒褐色、不純物が微量である場合は黄色のゴム状硫黄とり、その後放置すると斜方硫黄にもどります。
>これは、S+O2 → SO2 という反応が起きたからでしょうか?
違います。全て硫黄の同素体です。