時速60キロで土砂流出か、猛スピードで民家へ
2018年09月13日 15時03分 読売
北海道で発生した最大震度7の地震で、大規模な土砂崩れが起きた厚真あつま町の山地では、土砂が時速約60キロで流出したとみられることが、京都大防災研究所の竹林洋史准教授(河川工学)の解析でわかった。
山すその民家に土砂が急速に押し寄せ、被害を拡大させた可能性があるとしている。
竹林准教授は、航空写真や現地調査で確認した地質や傾斜などのデータを基に、コンピューターで土砂が流れる速度を計算。
山頂部から約35度の斜面を、大量の土砂が同約60キロで流れ出たと推定した。
現場一帯は、崩れやすい火山灰が堆積たいせきした地質で、今夏の大雨で多量の水分を含んでいたため、さらに崩落しやすい状態だったとされる。地震の強い揺れで一気に流出し、速いスピードを維持したまま民家を襲ったとみられる。
竹林准教授は
「地震による土砂崩れで、これだけの人的被害が出ることはまれだ。土砂の勢いに加え、崩落中に巻き込まれた大量の倒木の影響も大きい」
と指摘。その上で、
「全国には同様の火山灰層が広がる地域も多い。自宅が山すそにあるなら、斜面が崩れやすいかどうかを確認しておくべきだ」
と話す。