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悩めるハーバードのエリート達、「何のために仕事をするのか分からない」

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大学に頼り、会社に使われる時代は既に終わっているのだが!大変ではあるが自らの道は自ら見つけねばならない。

クラブの仲間もいるし、良き友人も、彼女もいる。しかし何か心満たされず、夜中に一人自転車を走らせる若者らも多い。自分の道を見つけられず心の奥底で悩んでいるのであろう。

人生とは難しいものである。幸、不幸、成功、失敗は表裏一体。天は我に何をさせようとして生ませたのかという自らの問いが必要である。

両親と幼い頃、死に別れ辛い貧乏な青春時代を過ごし、それでも自分の学問への愛情を信じ、大学の教員になった者も世界中には沢山いる。幸せとはそういうものであろう。

一方で両親の愛情の元にT大法学部まで行ったものの、風俗に通い政府に反抗する文科省事務次官や財務官僚らの人間としての資質に欠ける者が極端に多い。彼らは果たして幸せな人生を過ごしているのやら?世の中の幸せを祈るという気持ちがなければ、すぐ地獄が待ち受けている。

 ハーバードの「キャリア相談室」で涙を流すエリートたちを見て...

2018年10月12日(金)17時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 <エリートとされる人たちも、周囲の目を気にしすぎ、

「自分が何をやりたいか分からない」

と切実に悩んでいる。

元ゴールドマン・サックス副会長のハーバード教授が教える、自分を知るための「ロードマップ」>

「世界のエリートはなぜ~」といったタイトルの書籍が増えている。

「スタンフォード式」「ハーバード流」などと大学名を冠した書名も、昔ながらの定番と言っていい。

こうしたフレーズが興味を引くのは、その前提に「エリートは自分たちとは違う」という認識があるからだ。

単に優秀なだけでなく、強い信念を持って、目標に向かって突き進む彼らから成功へのヒントを得たいと思うからこそ、その実像を垣間見たいという気になる。

では一体、彼らの実像はどんなものかと言えば、実は、彼らエリートもまた多くの悩みを抱えている。しかもそれは、

「自分が何をやりたいか分からない」

「何のために仕事をするのか分からない」

といった、よくある(だが切実な)悩みだ。


「私は何をするために生まれてきたのか、誰か教えてくれないかなあ」
 誰かがそう言うのを、私は一体何度耳にしたことでしょうか?(246~247ページ)

そう語るのは、ゴールドマン・サックスで副会長まで務め上げたのち、ハーバード・ビジネススクールで教鞭を執るようになったロバート・スティーヴン・カプラン教授だ。

教授の著書『ハーバードの自分を知る技術――悩めるエリートたちの人生戦略ロードマップ』(福井久美子訳、CCCメディアハウス)からは、世界の超エリートと呼ばれる人々が、いかに自分の人生に迷い、悩み、進むべき道を見失って途方に暮れているかがよく分かる。

そういった意味で、他の多くの「エリート本」とは一線を画す内容だ。だが、そんな超エリートたちが途方に暮れる姿から、何を得られるのだろうか。

カウンセラーでもない教授のもとに、教え子でもない人がやって来る

ある大学院生は、複数の金融機関から正社員としての内定をもらったものの、どれもピンと来ないと悩んでいる。

もしお金を気にしなくていいなら何をしたいかと聞かれて、彼は

「どの仕事も受けない」

と即答した。音楽が大好きだから、レコード会社か音楽業界の仕事を探す、と。

ある会社の営業部長は、順調にキャリアを築き、幸せな家庭に恵まれて、貯金も十分にある。

にもかかわらず、深刻な悩みを抱えている。それは

「自分に違和感を覚えている」

ということ。

達成感を得られず、満足感もない。そして、そのことを誰にも相談できずにいる――。

彼らがようやくその心の内をさらけ出したのは、ハーバード・ビジネススクールの研究室でのことだった。

研究室の主であるカプラン教授は、じっくりと彼らの話に耳を傾け、どこに問題があるのか、どうやって解決していくのかを本人と一緒に探っていく。

 だがカプラン教授はカウンセラーでもなければ、相談に来た人たちも教授の教え子というわけでもない。上の営業部長は、共通の友人から「相談に乗ってやってほしい」と頼まれたことが話を聞いたきっかけだという。

教授の専門は経営実務で、ゴールドマン・サックスに勤めていた22年間を通じて、さまざまな管理職を歴任した。当時から、会社の若手・中堅だけでなく同僚やクライアントなど数多くの人にコーチングを行ってきた。その後、ハーバード大学のMBAプログラムではリーダーシップ講座を担当している。

そんなカプラン教授の研究室には、学生だけでなく社会人までもが次々と訪れ、さながら「キャリア相談室」のように、キャリアや人生について相談していくらしい。

その経歴から、カプラン教授のもとを訪れるのはアメリカのエリート層、つまりは、世界の超エリートたちだ。

どんなときでも自信満々に見える彼らだが、教授の研究室では、時には涙を流しながら悩みを打ち明けるのだという。

他人が「成功」だと言うものを鵜呑みにすると、心は満たされない
エリートに限らず多くの人が人生に行き詰まり、


「自分は何をしたらいいか分からない」

と悩む要因のひとつは、周囲のアドバイスに耳を傾けて、その期待に応えようとするからだと教授は指摘する。

周囲の目を気にしがちな日本人ならいざ知らず、アメリカ人の、しかもエリートでもそうなのか......と驚く人は多いだろう。だがカプラン教授によれば、エリートというのは特にそうした傾向が強い人々らしく、だからこそ、ある時点で唐突に壁にぶつかってしまう。

だが、「成功する」あるいは「夢を叶える」ためには、そもそも自分にとって何が「成功」であり、どうなることが「夢」なのかを定義しなくてはならない。

他人が「成功」だと言うものを鵜呑みにすると、たとえそれを手に入れたとしても、心は全く満たされないまま人生が終わってしまう。

では、どうすればいいのか? 

本書の原題は「What You're Really Meant to Do(あなたが生まれもった使命)」という。

「使命」とは少々大げさに思えるかもしれないが、言い換えれば「自分を知る」ということだ。

その第一歩として本書では、自分の長所と短所を知るところから始める。つまり、

「何ができて、何ができないか」

だ。

というのも、意外にも、自分の長所と短所を理解していない人は多いらしい。なぜなら、それを掘り下げて考えたことがないからだ

ある大手メーカーの若手マネージャーは、上司に対して不満を抱き、公平な扱いを受けていないことにイライラして、教授の研究室にやって来た。

彼もまた、自分の短所が分からなかった。というよりもむしろ、彼のスキルを評価するのは上司の仕事であり、会社の役目だと思っていたという。

 「だって、会社は僕のことも僕の知識や能力も知ってますからね」

と彼は言ったそうだが、自分のスキルを理解することを後回しにすると、ほぼ確実に将来に悪影響を及ぼす。

また、何をどう改善すればいいか分からず、手探り状態のまま進んでいくしかなくなる。

成功するかどうかではなく、自分の潜在能力を発揮できるかどうか
長所・短所を理解した上で、自分が本当にやりたいことや自分そのものを理解し、具体的にチャンスを生かす方法について考えていく。そして、さらなる飛躍を目指し、なりたい自分に近づくためのステップへと進んでいく。

このように本書は、一見すると自己啓発書のようだが、その実態は、自分自身を発見するためのガイドブックと言える。一冊を通じてフレームワークが構成されているだけでなく、各ステップには演習が用意され、カプラン教授の研究室を訪れるエリートたちと同じコーチングを受けられる。

だが、それは決して簡単な方法ではない、とカプラン教授は釘を刺す。そこには不屈の精神が必要だ。


大勢の人があなたに

「こうすべきだ」、

「これを手に入れるべきだ」

と進言してきますが、彼らはあなたの人生を生きるわけではありません。

しかも、そのような人は自分の人生に満足していない可能性が高いでしょう。(247ページ)

だからこそ、「違うやり方」を試すことをカプラン教授は勧める。

成功するかどうかではなく、自分の潜在能力を発揮することに目を向けるのだ、と。

それを実現する方法はたくさんある。

その道筋のひとつが、本書から見えてくるかもしれない

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