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山中教授の遺伝子組み換えマウス“逃亡”!!

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山中教授、遺伝子組み換えマウス“逃亡”で謝罪

遺伝子組み換えマウスが逃げることは良くあることで、あちらこちらの研究機関が文科省に注意されています。ただ山中さんのマウスの場合は要注意かもしれません。生態系を乱すなどのレベルではないでしょうね。
 
冬季、野ネズミの食害で困っていますが平気な顔で木をかじったりしています。網で取ろうとしても逃げ足が強く、最終的には薬よりの粘着テープが効果的です。但し益鳥なども粘着テープにかかることがあり要注意です。
 
 
2014.3.2 05:02  sanspo.com
 
ノーベル賞受賞者の山中所長が苦渋の表情で深々と頭を下げた。
 
「再生医療や創薬で社会貢献を目指している中、私たちの研究に大きな期待を持っておられる方々に不安を与えたことを研究所を代表しておわびしたい」
 
と謝罪した。
 
イメージ 1 遺伝子組み換え生物が自然界に広まると生態系に悪影響が出る恐れがあるため、実験計画では、マウスは飼育室と実験を行う処置室の中だけで管理すると規定している。
 
しかし、iPS細胞の世界的な研究拠点が、この規定を逸脱していた。
 
 京大によると、マウスの管理を委託された専門業者が飼育ケースを交換する際、ケース内の紙製チップに紛れ込んでいたマウスに気付かないままケースを移動。
 
遺伝子組み換えマウスを含むマウスがケースを洗う洗浄室に移された。マウスの数や種類を確認していたというが、不十分だった。
 
 洗浄室で見つかったのは10回以上。マウスは21匹いたが、少なくとも10匹は生きており、発見時に処分した。
 
21匹のうち遺伝子組み換えマウスは5匹だったという。
 
 幸いにも施設外に出たとの報告はないという。遺伝子組み換えマウスが施設外に「逃亡」するなど、国が義務づける拡散防止措置に違反した場合、1年以下の懲役、100万円以下の罰金が科せられる可能性もある。
 
山中所長は
 
「施設外に遺伝子組み換えマウスが出ないようにするのは最優先事項」
 
と説明した。
 
 京大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の付属動物実験施設で2011~13年、飼育室などで管理されていた実験用の遺伝子組み換えマウスが施設内の別の部屋で見つかるずさんな管理が判明し、文部科学省が昨年12月、京大を口頭で厳重注意していたことが1日分かった。
 
12年にノーベル医学生理学賞を受賞した山中所長は会見を開き
 
「あってはならないこと」
 
と謝罪した。
 
 文科省からの厳重注意を受け、同研究所はマウスの見逃しを防ぐため、交換担当者を6人から7人に増やした。ケースを洗浄室に運ぶ際には、マウスが残っていないかの確認を1回から2回にしたという。
 
 再発防止へ、山中所長は
 
「チェック体制を強化し、今後このようなことがないように気を引き締めたい」
 
と話した。
 
★ 過去にも事件相次ぐ
 
 遺伝子組み換えマウスが施設外に逃げ出したり持ち出されたりする例はこれまでもあり、文科省が毎回、厳重注意としていた。
 
外部の生態系に影響を及ぼしたケースはないが、文科省は各研究機関にマウスの数を定期的に確認することを求めている。
 
今回の件について日本実験動物学会の関係者は
 
「ケースを洗う際、マウスを見逃さないように何匹いるかラベルで確認するなど対策は必要だ」
 
としている。
 
 
 遺伝子組換えマウスの不適切な管理に関する
文部科学省への報告書の提出について
 
 kyowa-kirin.co.jp
 
協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松田 譲、以下「弊社」)は2010年8月に、弊社東京リサーチパーク動物実験施設内において遺伝子組換えマウスの飼育実数と管理数が合わない事態が生じ、再発防止策をとってまいりました。
 
念のため実施しておりました野生ネズミのモニタリング調査でも異常は認められませんでした。
 
また弊社で取り組んできました再発防止策を改めて検証し、機能を果たしていることを確認いたしました。これらの経過をまとめ、2011年10月に『第二種使用等に関する事故時の届出注1』についての報告書を文部科学省に提出し受理されましたのでお知らせいたします。

 近隣の住民の皆様をはじめ多数の方々にご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。今回のことを真摯に受け止め、二度とこのようなことを起こさないよう努めてまいる所存です。

<報告書の概要>

1. 野生ネズミのモニタリング調査の結果

 野生ネズミのモリタリング調査を東京リサーチパーク敷地内において2010年9月9日から2011年8月5日までおこないました。調査期間中に野生ネズミ2匹を捕獲し検査しましたが、生物多様性への影響は認められませんでした。

2. 再発防止策の実施状況

  1) 飼育管理・作業手順の見直し
 遺伝子組換えマウスの入荷時および取扱時に動物数を確実に数え記録を残すことを作業手順書として定め、周知徹底をいたしました。

  2) ハード面の対策
 動物実験施設は、マウス逃亡防止策としてインターロック式二重扉注2を採用していますが、これに加えて、遺伝子組換え動物を扱うすべての飼育室と実験室に高さ40センチ以上のネズミ返しを設置しました。
 
また室内において逃げ出したマウスを速やかに捕獲するために、動物実験施設内の動物飼育室、実験室のすべてにマウス捕獲器を常時設置しています。

  3) 教育、訓練
 2010年9月に遺伝子組換え動物を扱う実験を停止し、管理体制と作業手順の再整備を行い、東京リサーチパーク従業員および委託業務作業員を対象として以下の教育、訓練を実施しました。

(1) 遺伝子組換え実験における異常発生時の連絡体制について
(2) 遺伝子組換え動物の搬入、飼育管理に関する作業手順について
(3) 動物愛護の観点への配慮を含めた動物実験および遺伝子組換え実験について
(4) 事故が発生したことを想定した実地訓練
 
3. 社内監査について

 再整備した遺伝子組換え動物の管理体制について2010年12月に社内監査を実施しました。その結果、実験再開可能と判断し、2011年1月に近隣自治会への説明を行ったうえで、同月実験を再開しました。また、2011年8月から9月にかけて再度社内監査を実施し、再発防止策が運用され、機能していることが確認できました。
 
注1.第二種使用等に関する事故時の届出

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性に関する法律・第十五条(第二種使用等に関する事故時の措置)には、遺伝子組換え生物等の第二種使用等をしている者は、拡散防止措置に係る施設等において破損その他の事故が発生し、当該遺伝子組換え生物等について主務省令で定める拡散防止措置又はあらかじめ主務大臣の確認を受けた拡散防止措置を執ることができないときは、直ちに、その事故について応急の措置を執るとともに、速やかにその事故の状況及び執った措置の概要を主務大臣に届け出なければならないとされています。
 
注2.インターロック式二重扉

一つの部屋についている複数の扉が連動しているタイプの扉です。全ての扉が閉まっていなければ作動しません。また、一つの扉が開いていると、他の扉は開きません。したがって、部屋が完全な開放系になる事がありません。
 

 


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