どういうインパクトなのか?
理研の人事担当者の頭もマスコミレベルの科学ではないのか?
全国の大学でも何の実力もない者が突然、教員に採用される事例が多い。たとえば全く教員経験がないどこぞの会社や研究所のプロジェクトリーダーをインパクトのある研究だからと教授に採用してしまう。
人事委員会のおかしな点(たとえば200報に渡る論文に対して本当に本人の研究なのか?)を追及しても多勢に無勢で押し通すことが横行している。助教より若い者を好き嫌いで准教授に採用したりする。お馬鹿な人事をするなと抗議しても無駄である。
論文は書けないし、院生や学生がかわいそうである。
このような研究所や大学における研究や人物の怪しげな一旦を暴露してくれたという意味でマスコミも良い仕事を偶然にもなし得たと賞賛されるべきことかも知れない。
論文投稿におけるethicsでは若い頃、NY州立大のハイム教授に徹底的に起こられたことがある。米英に投稿の2論文は品質的に図表は違うが内容は同じというのである。こちらからは抗議したが若気の至りで論文水増しの指摘に反論できなかったことを思い出した。私はこの点恵まれていたのかも知れない。ハイム先生の論文誌には二度と投稿しないでくれとの手紙を頂いた。
「インパクト感じリーダー採用」 理研のチェック機能に限界
2014.3.15 10:00 産経
STAP論文に掲載されたDNAの分析結果を示す実験の写真。中央の列と左右の列の間に境界線があり、切り張りした痕跡が見える (ネイチャー誌提供、画像の明るさを変更)
理化学研究所が14日に発表した新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文をめぐる調査の中間報告は、研究者の倫理と科学実験の検証の在り方に大きな課題を投げ掛けた。
「科学者としての倫理が欠如していた」
「著者は論文のすべてを説明する責任を負うが、不注意というにはあまりに問題が多い」
理研幹部は会見で、小保方晴子・研究ユニットリーダーの論文作成に対する姿勢に、にがい表情で疑問を呈した。
理研によると、実験の証拠となる画像を切り張りすることについて、小保方氏は「やってはいけないことという認識がなかった」と話したという。研究者として未熟だったことは反省しているという。
論文作成には小保方氏のほか、実績のある幹部研究者も参加していた。野依良治理事長は
「故意でなくても責任は非常に重い。これから研究者としてどう活動していくか表明しなくてはいけない」
と指摘した。
小保方氏は3年前の早稲田大の博士論文でも、大量の無断引用が疑われており、研究リーダーとして採用した理研のチェック機能のもろさも出た形だ。
理研幹部は「STAP細胞のインパクトを感じ採用したが、過去の調査が不十分だったと感じている」と釈明した。
一方、科学誌に論文が掲載されるには、専門家による正当性のチェック(査読)を通過する必要がある。しかし、今回の調査対象になっている画像の流用や加工などの疑惑は、掲載前に検出するのは難しい。
査読経験がある日本分子生物学会研究倫理委員の岡田清孝自然科学研究機構理事(植物分子遺伝学)は
「査読は基本的に、不正なデータがない前提で行う」
と話す。
査読で主に確認するのは、投稿論文の結論が本当に論文内に示されたデータで導けるのかどうかなど、その論理的な妥当性だ。データが不十分であれば、論文は却下されるが、基本的には「性善説」に基づくのが実情だ。
別の生物学研究者も、既存のデータからの流用などをチェックするのは困難と話す。
「よく知っている論文なら気づくが、そうでなければ無理。査読者はコンピューターではない」
今回のSTAP論文の内容はこれまでの常識を覆すものだ。ネイチャー誌は世界でトップレベルの権威を持つ。
査読は厳密に行われたはずだが、画像転用の可能性などは見抜けなかった。
万能細胞研究は医療応用につながる注目分野で、査読段階でもより厳密性が求められる。岡田氏は
「細胞などを科学誌に証拠として提供し、査読段階で第三者機関でチェックする体制も必要」
と話している。