原始太陽系においてまず太陽が恒星として昇格し、その後に月が衛星として地球から分離されたわけですが、その理由は大型天体の衝突のためというのであるが。
月は44億7000万年に形成、国際研究
2014年04月04日 11:00 発信地:パリ/フランス
【4月4日 AFP】
月は太陽系の誕生から約9500万年後に起きた衝突で形成されたとする研究論文が、2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。
衝突事象の年代決定を新たに試みた研究論文によると、地球はこの衝突によって現在知られているような内部構造が形成されたという。
フランス、ドイツ、米国の惑星科学者の国際研究チームが発表した論文によると、約44億7000万年(誤差の範囲はプラスマイナス3200万年)前に、初期の原始地球と火星ほどの大きさの天体との衝突が起き、後に月になったと思われる物質がはじき出されたという。
この衝突事象は、月を形成しただけでなく、地球の超高温の表面から中心方向に沈んでいる溶解した金属による核(コア)の形成を最終段階に導いたとも考えられている。
衝突が起きた時期については、これまでの試算で、太陽系の始まりから約3000万年後に起きた「早期」の衝突から、最大で2億年後とする「後期」の衝突まで、広い幅があった。
太陽系自体の年齢は、地球上で見つかる最古の物質である隕石に含まれる、一部の成分の正確な年代測定により、45億6700万年であるとされている。また地球は、太陽系が始まってから最初の1億5000万年の間のどこかの時点で形成されたと考えられている。
これまでに行われた多くの年代推定は、岩石に含まれる原子核の放射性崩壊の測定に基づいている。
■巨大な衝突を繰り返して「惑星の種」に
研究チームは今回の研究のために、原始太陽系内の塵や岩がどのように集積して「微惑星体」と呼ばれる微少の天体を形成するに至ったかを示すコンピューターモデルを作成した。
最新モデルによると、これらの微惑星体は巨大な衝突を繰り返しながら「惑星の種」に成長し、最終的に現在知られている水星、金星、地球、火星などの岩石惑星になるという。
巨大衝突が起きるごとに、惑星に物質が「降着」、すなわち集積された。地球の場合、月が形成された衝突によって、地球最後の大規模な成長事象が導かれたと考えられる。
また研究チームは、衝突後に集積された物質の量を調べるために、地球のマントルの化学組成を分析したところ、全質量の約0.5%ほどだった。
月を形成した衝突が、太陽系の歴史の中で「早期」に起きたとすると、その時期にはまだ多数の微惑星体が自由に飛び回っており、地球にも多く集積されたと思われる。
衝突が「後期」に起きるほど、集積される数は少なくなる。
論文の共同執筆者のアレッサンドロ・モルビデリ(Alessandro Morbidelli)氏はAFPの電子メール取材に、この分析結果は地球が形成されるのに9500万年かかったことを示唆しており
「太陽系内の惑星としては形成に最も長い時間を要したことを裏付けている」
と語った。
(c)AFP