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外気温・路面温度とタイヤのグリップ力

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雪が消えて車の走行が楽になりました。北国では開放感のためかスピードを出す車が異常に多くなります。老人や女性までが暴走運転を平気でする。
 
さて車が好きで峠越えをしますのでタイヤのグリップと外気温、路面温度にいつも気をつけています。特に橋とかトンネル、日の当たらない下り坂左カーブに要注意です。路面状況が急に変化するからです。
 
sinatabi.exblog.jp/16919154さんがコメントしているように「冬場滑りやすいとされる場所は、日陰や(山陰になる)トンネルの出入り口=路面が温まりにくい、橋の上=路面が冷やされやすい」。
 
はがき1枚くらいの大きさ×4でタイヤは接地していますので、様々なトラブルが生じます。F1レースではタイヤの硬さに依存して100℃前後の温度になるのですね。
 
冬場の路面凍結も困りものであるがヒートアイランド状況での路面も困ったものである、どちらもタイヤのグリップ力は極端に低下して危険である。
 
路面温度はどのように測定しているのかなと思っていましたが放射温度計を使用なのですね。
 
北海道開発局
イメージ 1

下記記事はグリップ力と外気温の関係を述べたなかなか優れた記事です。 
 
外気温とタイヤのグリップ力
 
  geocities.jp/miew_miew_fc/kuruma/doraana/das01_5
 
 どんどん行きましょう。お次は、タイヤのグリップ力の変化に関する話ですね。
 
 タイヤがどのくらい地面に食いつくか。その限界を決めるのは何だと思いますか?
 
 サイズ? 横幅? 銘柄? 足回り? もちろん、それらは全部、大切な要素です。路面のコンディション、なんてのもありますね、晴れとか雨とか雪とか砂とか。
 
 でも一つ、重大なことを知っていて欲しいんです。それは、温度がタイヤに与える影響です。
 
 温度と言っても2種類あります。一つはタイヤの温度、一つは外気温です。まぁ、外気温は路面のコンディションの一部ですけどね。
 
 タイヤが熱を持ちすぎるとタレて、グリップ力がなくなる、って話は、さっきしましたね。表面が融けてきて、濡れたような状況になってしまうわけです。
 
 でも逆に、冷えすぎるとダメなんですよ。と言うのも、タイヤは若干、熱を受けて柔らかい状態になったほうが、路面の凹凸を捕まえやすくなります。それに、若干ですけど、路面に貼りつく作用もあります。アメリカのドラッグレースのタイヤなんかすごいですよ。表面を融かして接着剤みたいな状態にして、ほんとに路面に貼りついちゃうんです。

 つまりですねぇ、冷えた状態のタイヤ、要は「暖まっていない」タイヤというのは、けっこう食いつかないんです。このことは頭に置いといてください。
 
 特にレース用のタイヤなんかひどいですよ。普通に公道を走っているだけでは、冷えすぎで食いつかないどころか、表面が硬い状態のままで、無理に走るとボロボロになってしまう。
 
 普通のタイヤはここまでひどくありませんが、いわゆるハイグリップタイヤの中には、雨や雪に極端に弱いものもありますね。これも同じ理由です。
 
 で、外気温です。

 普通、外気温が10度くらいになってくると、温度はあまり問題にはならなくなります。まぁ、暑くなるとタイヤがタレ易くなりますけど、このあたりはちゃんと管理できていれば大丈夫。
 
 このくらいなら、少し走っただけでタイヤの温度はちゃんと上がって来ます。だから、春先から秋にかけては、タレだけを気にすればいいことになります。
 
 でも、気温が下がって、路面温度が下がると、なかなか難しい状態になります。細かいデータがあるわけじゃないんですけど、私の経験からすると、外気温が5度あたりを下回ると、たとえ路面が乾いていてもタイヤのグリップ力はどんどん下がってくる感じです。2度あたりだとかなり悲惨ですよ。信じられないくらい食いつかなくなります。これは、タイヤの表面が暖まりにくくなるからですね。
 
 冬場、北のほうにあるサーキットとか、深夜の峠道なんかを走っているとき、このことをきちんと理解していないと大変なことになります。路面を見て普通通りに走っていると、確実に刺さります。というか、実際にこれで刺さる人もけっこういるんですよ。
 
 だからわたしは、車に外気温計を着けてます。旅行なんかで高い場所に行ったり、冬場に移動したりするときは、よく温度を気にしますね。みなさんも着けろ、とは言いませんが、標準で外気温計の着いた車もあるくらいですから、少し意識した方がいいですよ。
 
 それと、外気温がもたらすもう一つの問題があります。なんでしょう?
 はい、そこの人。今、言いませんでした? 正解です。路面凍結ですよ。
 それと、凍結しないまでも、結露することなんて珍しくないです。
 
 だいたいどのくらいで結露や凍結が始まるかは、その道の環境によって変わるので、実際、なんとも言えないところがあります。良く晴れた冬の夜だと、橋の上なんか4度くらいから凍結が始まることがあるし、5、6度で結露することも時々見ます。山のほうは湿気や風通しなどなど、いろんな条件が絡みますから、もっと複雑ですね。でも2、3度あたりからかなり危ないですよ。
 
 もちろん、昼間の湿度が高いと結露しやすくなります。まぁ、凍結は湿度が高いとおきにくいんですけどね。このあたりはほんとに注意してくださいよ。
 
 そうそう、どうして0度から凍結しないのか、って思った人、いますか? それはですねぇ、気温というのは地面から離れた場所で測るんですよ。でも、アスファルト路面なんかは、空気よりも熱が放射されやすくて、何度か低い温度になっているんです。ま、細かい理屈はいいですよ。でも、実際に路面は凍結しますからね。橋なんか、裏側からも熱が逃げるから、普通の路面よりもずっと凍結や結露しやすいです。
 
 凍結や結露した路面を見分けるのは案外簡単です。道を走っていて、雨も降っていないのに路面が濡れているように見えたら、重症の結露や凍結ですね。なんとなく「しっとり」して見えるうちでも、けっこう危険です。もしもそんな場所を見つけたら、とにかく慎重に走るしかないですね。
 
 それと、結露や凍結は、一度気に全域で起きるわけじゃなくて、場所によって結露や凍結しやすい場所とそうでない場所があります。いちど見たら、別の日にもその付近から始まると思っておいてください。ま、100%そうだ、というわけじゃないですけど、普通はだいたい、同じ場所から始まるんです。
 
 路面がキラキラ光って見えたら、もう終わりですね。凍ってます。普通に走るのだって危険ですよ。
 
 F1タイヤ 気温や路面温度による影響を解説
 
https://www.youtube.com/watch?v=i-kFKFLkT6s
 
 
イメージ 2
 
地表面温度
気温は低くても暑い
 
gaia.h.kyoto-u.ac.jp/~fractal/detail/24
 
熱を持つ物体からは絶対温度の4乗に比例する強さの電磁波(室温では赤外線)が出ます。
 
我々の身の回りの温度は大体300Kくらいですから、その温度に対応して1m^2あたり約460Wくらいの赤外線が出ています。
 
我々自身も同じくらいの温度で同じくらいの赤外線を出していますので、周りの物体から受け取る赤外線から自分が出す赤外線を差し引きすると大体ゼロになり特に熱を感じませんが、周りの物体がさらに熱くなると、物体が出す赤外線が上回りますので熱さを感じます。
 
一言に赤外線と言っても非常に幅広く、赤外線通信などに使われる近赤外線(波長1μm程度)から、非常に波長の長いものまでありますが、身の回りの物体の温度にお応じて出る赤外線を熱赤外線(だいたい波長10μmくらい)と言います。
 
この熱赤外線によって熱が放射されることを、熱放射、熱輻射などと言い、放射される熱を輻射熱と言ったりします。また、熱い路面からの熱輻射のことを「照り返し」とも言います。

物体の温度が室温から1度上がると、放出する赤外線は1m^2あたり約6W増えます。この原理で熱を放出するのが赤外線ストーブです。赤外線ストーブはヒーターを熱して赤外線を放出し、空気を温めるのではなく、赤外線が当たった物体を直接温めます。
 
赤外線は目に見えないので、理解しにくいかもしれませんが、赤外線は光の一種なので、サーモグラフィーなどの赤外線を検出できるカメラで見ることができます。
 
全方向から受ける熱放射の平均値を温度で表したものを平均放射温度(MRT)といいます。人間の表面積を1m^2程度とすると、MRTが1℃上がると人間が受け取る熱量は約6W増えます。
 
6Wという熱量はちょっとピンと来ないかもしれませんが、使い捨てカイロの発熱量がだいたい1Wと言われていますので、これを参考にするとわかりやすいかもしれません。

夏の炎天下では街の路面は60℃以上になります。
 
仮に無限に広い路面の上に立っていて、路面より上の温度は変わらないものとすると、路面温度が30℃の時と60℃の時ではMRTで約15℃の差が出ます。
 
このとき、その路面の上に立っている人が受け取る熱量を上記のように計算すると90W増えることになります。
 
つまり、使い捨てカイロ90枚分の差が出ることになります。
 
周囲の物体の表面温度が重要である事がこれで理解できると思います。
 

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