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日大藤沢中、手を動かして命を学ぶ…農業・畜産実習

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子供らを学校内から解放して農業実習や社会奉仕活動にもっと積極的に参加させるべきである。先日、小学生低学年の実習を見たが、150人中子供らしいかわいらしさ、溌剌さを持つ者は殆どいなかった。
 
何か精神異常性の無表情な感じであった。礼儀などはあったが。かわいらしさと言えば引率の先生方のほうが子供らしかったのである!
 
イモを作ったり、掘ったり楽しい、しかし汗水のいる作業が子供らには必須である。そこから生きるエネルギーを得るのである。
 
 
 
手を動かして命を学ぶ…農業・畜産実習
 
2014年07月02日 11時45分     読売
 
 スーパーやコンビニで簡単に手に入る食物がどのようにして生み出されるのか――。教室とグラウンドだけで学校生活を過ごしているだけなら考えることもない身近な、そして重いテーマ。
 
日本大学藤沢中学校(神奈川県藤沢市)が、1・2年時に実施している農業と畜産の体験学習は、10代前半の生徒たちにとって、命と自然について思いを巡らす貴重な体験となっている。

植え付けから収穫まで…農作業で自然を実感
 
力を合わせてジャガイモを掘る生徒たち

班ごとに取れ高を競う 1500平方メートルもの広大な畑でジャガイモやナス、トマトなどを栽培する農業実習。隣接する日本大学生物資源科学部の農場で、1年生全員の合同授業で週に1度行われている。取材に訪れたのは、2か月前に植えたジャガイモの収穫日。生徒は10人前後の班に分かれて担当区画のジャガイモを掘る。
 
「見て、こんなに大きくなっている」
「ここすごいよ、いっぱい出てくる」
「他の班に負けないようにたくさん掘ろう」
 
と元気いっぱいの生徒たち。
 
どちらかというと都会っ子が多いというが、泥も虫もなんのそので、農作業に精を出す。そのかたわらにはコーチ役の大学生がつきっきりで生徒たちを指導。
 
 「彼らは生物資源科学部の学生で、ボランティアでこの授業のサポートをしてくれています。生徒たちにとっては、それほど年の離れていない年長者と接するいい機会になっています」
 
と楠本文雄教頭は農業実習の狙いをこう語る。
 
 「植え付けから収穫までの一連の作業を経験することで、食べ物ができるプロセスを学べます。その過程には苦労もあれば、思うようにいかないことも多々あります。今回も水はけの悪い区画の取れ高が悪かったようです。そうした自然の摂理を目の当たりにすれば、やはり、食べ物のありがたみを実感しますよね」
 
 それだけではない。自然が生徒たちに教えてくれることはたくさんある。
 
 「丹精込めて育てた食物を収穫前に虫に食べられてしまって悲しい。でも虫も僕と同じようにジャガイモを食べるんだと思った。同じように生きているんだと感じた」
 
 ある生徒は、虫食いのジャガイモを手にそんな感想を漏らした。そんな光景はそこここで見られる。それは取りも直さず、この農業体験が食育だけでなく、情操教育にも役立っていることを物語っている。
 
 収穫されたジャガイモははかりにかけられる。一番多かった班の収穫量は79.8キロにもなった。収穫物は生徒一人ひとりが家に持って帰るが、あまり取れなかった班の生徒におすそ分けする生徒の姿も見られた。
 
 「共同作業を通して社会性や協調性が育まれているのでしょう。中には教員にも分けてくれる生徒もいるんですよ」
 
(楠本教頭)

生まれたばかりの子豚…「いつかは食べられる」複雑な心境
 
機械実習で恐る恐るトラクターを運転する生徒

畜産実習で牛に餌を与える生徒

動物たちと触れ合う畜産実習 2年生になると畜産・機械実習にチャレンジすることになる。このフィールドワークは大学の農場で1日がかりで実施される。
 
 「機械実習ではショベルカーやトラクターの操縦を体験します。畜産実習は牛や豚のフン掃除や餌やり、タイミングがよければ搾乳もします。このフィールドワークの前に肉の塊からソーセージを作る食品加工実習も経験していますから、農業体験から一歩踏み込んだ情操教育といえます」
 
(池田直哉先生)
 
 畜産実習を体験した久野裕大君に話を聞いた。
 
 「豚の品種によって食べる餌が違うことや、食肉用の豚と子どもを産む豚とに分けられているなど、知らないことがたくさんありました。一番印象に残っているのは出荷前の子牛の表情です。毛をとかしたり水をあげたりして世話してきただけに、とても考えさせられました」
 
 同じく実習を受けた吉岡佐織さんは、人と動物の関係を考えるきっかけになったという。
 
 「生まれたばかりの子豚がいたんですが、この子もいつかは食べられてしまうのだと思うと心が締めつけられました。たしかに食用として人が繁殖させた子豚なのですが、そのためにこの世に生を受けたということを考えると複雑な心境でした。何が正しくて、何が間違っているのかは分かりませんが、物事にはいろいろな側面があるんだと感じました」
 
 農業体験から始まり食品加工や畜産も経験するフィールドワーク、どの生徒もこれまで当たり前に食べていた肉も、命あるものと実感し、感謝の気持ちが芽生えたと口をそろえる。
 
それは、この実習教育が、食べ物ひいては命について考えるきっかけとして大きな役割を果たしていることの何よりの証しだ。中学時代に積んだこれらの体験は間違いなく生徒たちの貴重な財産となるはずだ。
 

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