大阪桐蔭高経営する大産大の新理事長に元検事総長就任
補助金もカットされた大学経営の行方は?
gendai.ismedia.jp 2014年07月16日(水) 井上 久男
ある元事務局長は
「事務局長クラスに対しては、警備などの出入り業者から、お中元やお歳暮時に現金30万円が送られてくる(受け取らない人もいる)ほか、甲子園常連で寄付金などが集まる大阪桐蔭野球部も資金捻出の『打ち出の小槌』として利用しています。
そのほかにも出入りの食堂業者や建築業者との間で癒着と見られても仕方ない行為が野放しにされていました」
と振り返る(学園広報課は
「そのような事実は確認ができていないためコメントを差し控える」
と説明)。
理事会上層部が堕落していくうちに、そうした雰囲気が教育の現場にも伝播し、セクハラ常習犯や休講だらけの教員を教授会が擁護したり、ストレート卒業率が低下したりと、もはやこれが大学かと思われるほど荒廃していた。
改革しようと、そうした問題をつつけば、学内で様々な「罠」が仕掛けられ、プライバシーまで暴かれて追い落とし工作が始まる。
筆者が入手した資料の中には、ある理事の追い落とし工作のために使ったと見られる探偵事務所に支払った100万円の稟議書もある。
国から補助金を受けている私学が、内紛で探偵事務所を使い、それを大学の費用で賄うとは、常軌を逸しているとしか言いようがない。
このほかにも、大学のイメージを向上させるために、副学長にベストドレッサー賞のような賞を取らせるプロジェクトに何百万円も予算が執行されたりしていた。
補助金25%カット
すでに文部科学省は今年3月、「大学の管理に問題がある」として、大阪産業大学に対する補助金25%(約2億4000万円)のカットを決めた。
学園広報課は「補助金カットは、文部科学省により学校法人の管理運営上に不適切なところがあったとの指摘を受けたことによります。
本学園としてはこの度の措置を真摯に受け止め、再発防止策の推進やガバナンス体制の強化に向けて、監査機能の充実や外部有識者諮問委員会等を新設し、理事会機能の補完を図るなど、強い決意をもって改善改革を進めております」とコメントした。
元検事総長という「大物」をトップに据えることなどで、改革に大きく踏み出そうとはしているように見えるが、奥の深いこの大学の内紛は果たして収まるのだろうか。