STAP示す現象検出せず=別方法で検証へ―「小保方氏準備できた」・理研中間報告
時事通信 8月27日(水)15時41分配信 yahoo.co.jp/
STAP細胞の論文問題で、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の丹羽仁史プロジェクトリーダーらは27日、4月から行っている検証実験の中間報告を発表した。
小保方晴子研究ユニットリーダーらが論文で発表した3通りの作製法のうち、生後1週間前後のマウスの脾臓から採取したリンパ球を弱酸性液に浸す代表的な方法では、万能細胞に変わったことを示す現象は検出できなかった。
英科学誌ネイチャーに1月末に発表された論文は、理研調査委員会が実験画像の不正を認定し、7月に撤回され白紙に戻った。
だが、理研はSTAP細胞の真偽ははっきりしないとして、来年3月末を期限として検証実験を進めている。
丹羽氏は東京都内で記者会見し、
「多能性を示す遺伝子の発現上昇を検出できなかった。弱酸性液に浸す方法は、遺伝系統が違うマウスや肝臓、心臓の細胞でも実験している。細胞を細いガラス管に通して刺激を加えたり、薬品で細胞膜に穴を開けたりする方法も試している」
と述べた。
総括責任者の相沢慎一特別顧問は
「STAP細胞があるか、期限までに一定の判断を得られるよう進めたい」
と述べた。
理研は6月末、小保方氏が微妙な作製技術を持っている可能性を考慮し、丹羽氏らとは別に11月末まで監視付きで検証実験を行うことを認めた。
相沢氏は
「笹井芳樹副センター長の自殺などがあったが、実験に入る準備はできていると判断している」
と述べた。
これまで検証実験にかかった費用は約700万円。
これまで検証実験にかかった費用は約700万円。
STAP細胞の作製手順のうち、万能性を示す遺伝子の働きの確認は第1段階で、それだけで作製できたとは言えない。
論文では、第2段階でマウスに移植してさまざまな細胞に変わることを確認し、第3段階でSTAP細胞に由来する細胞が全身に混在するマウスを生み出したと主張していた。