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JFEの鉄鋼スラグ、藻場成育基盤造成に採用

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ニセコのあまりの蒸し暑さに閉口しエアコンのある札幌へ逃げ帰りました。秋大根の種だけはなんとか蒔いて来ました。15日夕方6時半まで鍬で耕作していましたが、空を見上げると20匹位のオニヤンマの飛翔でした。
 
彼らの水環境をなんとか守れたようです。さて鉄鋼スラグの話が続きます。
 
 
 
JFEの鉄鋼スラグ、藻場成育基盤造成に採用 副産物に新用途開拓
 
SankeiBiz 2013.4.8 08:00
 
JFEスチールの鉄鋼スラグが、天然石の代替材料として山口県岩国市沿岸での藻場生育基盤の造成に採用された。
 
鉄鋼スラグは鉄鋼製造過程で発生する副産物。これを使用することで、海砂など天然資源の節約や二酸化炭素(CO2)削減につながる。
 
このためセメントの原料や土木工事材などとして用いられているが、建設投資の減少などを背景に新たな用途開拓が進められてきた
 
活用範囲が陸上から海上へと広がりを見せており、同社はさらなる採用拡大と用途開拓を目指す。
 
 鉄鋼スラグは、高炉で鉄鉱石を溶解・還元する際に発生する「高炉スラグ」と、鉄を精錬する製鋼工程で副生される「製鋼スラグ」に大別される。
 
岩国市沿岸で採用されたのは製鋼スラグの一種で、転炉から生成する「転炉系スラグ」。
 
 JFEスチールは、西日本製鉄所(福山地区、広島県福山市)で生成された1万3000立方メートルを納入、神代(こうじろ)漁業協同組合(岩国市)などが造成する6432平方メートルの浅場に使われた。
 
 ◆ 粉砕したまま使用
 
イメージ 1 藻場は稚魚などにとり好適な環境なため、水産業にとって重要な役割を果たしている。しかし埋め立てに伴う浚渫などで減少し、漁獲量が落ち込んでいる。神代漁協は藻場生育基盤の造成によって、岸側にあるアマモ場と沖側にある魚礁を連携させ、漁獲量を増やしたい考えだ。
 
 JFEスチールは1998年、製鋼スラグを型枠で成形しCO2を吹き込んで固化した「マリンブロック」を開発。
 
藻やサンゴ礁の造成用ブロックとして国内外で展開しているが、今回納めたのは粉砕したままの製鋼スラグ。
 
「ブロック状などに加工せず砕いたままのスラグを使う例は珍しい」
 
(同社)。重さにして約2万6000トンと1事例当たりの使用量としてはかなり多く、比較的浅い海底に設置するマリンブロックと比べ規模も大きいという。
 
JFEスチールの鉄鋼スラグを用いた浅場造成は今回が4例目。2002年3月、広島県・因島の海域で、同県の補助事業として浅場モデルの造成をしたのが最初だ。
 
今回納めたスラグの粒径は、これまでの検証結果などを踏まえて30~85ミリ程度とした。波浪による流失防止と“アルカリ対策”のためだ。
 
 ◆ 波浪への安定性向上
 
 鉄鋼スラグ製品の製造過程では、地金を取り出すため、スラグはいったん粒径85ミリ程度に砕かれる。
 
砂や砂利の代替材料として使われる場合はさらに砕いて細かくするが、岩国市沿岸の浅場向けには握り拳大にとどめ、波浪に対する安定性を高めた。
 
 粒子を大きく保つことはアルカリ対策でもある。
 
石灰を主成分の一つとする鉄鋼スラグは水と反応するとpHが10~12.5に上昇、コンクリート再生路盤材などと同等のアルカリ性を示す。
 
そのため、スラグに接してアルカリ成分を含んだ水が直接海などに流れ込むような用途では、スラグの表面を舗装するなどして環境への負荷を低減する必要がある。
 
そこで、スラグの粒径を30ミリ以上に限ることで海水に接する表面積を減らし、pH上昇の原因となるカルシウムの溶出を抑えた。
 
 アルカリは鉄筋コンクリートの鉄筋をさびにくくするなど長所もあるが、
 
「使い方を間違えれば短所にもなる表裏一体の性質」
 
(同社)。
 
サンゴ礁の再生やくぼ地の埋め戻しなど鉄鋼スラグの海上利用が進む中、同社は用途拡大に向けた開発を進める。その一方で、モニタリングなどを通じた安全性向上への取り組みも並行していく。
 
(豊田真由美)

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