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暑い中、鉄鋼スラグで舗装

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今まで情けないのですが鉄鋼スラグを自分の目でみたことはありませんでした。Kidsのラボ創設後に回りをきれいに舗装しようということになりました。
 
白っぽい石と粉の混合でコンクリートの粉砕物かと思っていました。
 

 
製鉄の副原料「石灰石」がルーツ    slg.jp/slag/process
 
一見製鉄とは関係がないように思われる石灰石は、製鉄プロセスにおいて必要不可欠な副原料です。
鉄を還元する際には、鉄鉱石に含まれるシリカやアルミナ(Al2O3)などの鉄以外の成分を取り除く必要があります。
 
石灰石を加えるとそれらの成分と溶融し融点が下がるため、鉄と分離・回収しやすくなり、この回収物が鉄鋼スラグとなります。
 
石灰石
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鉄鋼スラグが生まれる過程
 
鉄鋼スラグは、
 
(1)高炉で鉄鉱石を溶融・還元する際に発生する高炉スラグと、
(2)鉄を精錬する製鋼段階で発生する製鋼スラグに大別できます。
 
高炉スラグは、鉄鉱石に含まれるシリカなどの鉄以外の成分や還元材として使われるコークスの灰分が、副原料の石灰石と結合したもの です。比重が銑鉄よりも小さく、溶融状態では銑鉄の上になるため容易に分離・回収できます。
 
製鋼スラグは、高炉で生まれた銑鉄を、靭性、加工性の高い「鋼」にする製鋼工程で生成されます。
 
石灰などの副原料を加えて酸素を吹き込み、銑鉄に含まれる炭素やリン、硫黄などを取り除き、粘り強い鋼に精錬するときに生まれた酸化物が製鋼スラグとなります(転炉系)。また鉄スクラップを溶融・精錬した際にも製鋼スラグは生成されます(電気炉系)。

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小型ダンプで運び込みです。
 
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この辺を舗装します。左のスーパーハウス(2.9坪)がKidsラボです。あまり広くはありませんが、なんとか実験できれば良いと考えています。右のカスケード車庫は超小型ユンボのために設置しました。
 
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ざっと4cm厚でひいてもらいました。まだ転圧をかけていません。
 
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fnorio.com/0056history_of_iron_manufacture1/history_of_iron_manufacture1
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転圧開始です。
 
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肝心なところは手作業ですね。作業員の方たちはフレンドリーで助かりました。一番左の方が現場監督です。
 
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fnorio.com/0056history_of_iron_manufacture1/history_of_iron_manufacture1
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高炉は一度火がつけられると、通常は10年間くらい休むことなく連続操業される。最新鋭の高炉ではだいたい1日に1万5000tの鉄鉱石と5000tのコークスから、約1万tの銑鉄が作られる。その際 [鉱石(2000t)+コークス(900t)+石灰石(600t)+熱風(3600t)] から [銑鉄(1000t)+スラグ(700t)+廃ガス(5300t)+炉塵(100t)]が生じる。
 
 鉄鉱石とコークスは交互に60cm厚の層をなすように積み重ねられている。反応は間断なく進み、鉄鉱石とコークスの層は1時間に3mの割合でずり下がっていき、だいたい装入から8時間後に銑鉄となる。
 
 操業中に突然停止させた炉の解体調査(1968~1972年)から、炉内の様子が下図のようなものであることが解ってきた。融着帯というものが存在し、その形状が高炉の操業状態と深く関わることが解ってきた。
 
 融着帯の上にある塊状帯では鉱石もコークスも原型をとどめており、下から上がってきた一酸化炭素ガスによる間接還元が進行中である。また熱風中に含まれる水分が分解してできる水素ガスによる還元反応も進行している。

 融着帯では、鉱石と鉱石が半分融けた状態で、お互いに融着しあって板状につながっている。そこはガスが通り抜けられないので、ガスはコークス層をすり抜けて上に逃げる。そのため融着帯の形が高炉の生産性を大きく左右する。
 融着帯の下の滴下帯では鉱石がどんどん融解して滴となって豪雨のようにコークスの間を流れ落ちていく。そこでは、液状の酸化鉄とコークスの炭素が直接反応する直接還元が進行している。
 
 その下に円錐状のデッドマン(炉芯コークス)と言われる部分がある。送風羽口に近い所のコークスはガス化して消滅するが、炉の中央部のコークスは文字通りほとんど動かないで静止している。燃え尽きるまでに約1ヶ月程度かかる。この部分は高炉内の熱変動を緩和する蓄熱材としての働きと、そのまわりに滞留するコークス粉が滴下する鉄やスラグと接触して消失する場を与える。デッドマンは溶けた銑鉄の中央部に浮かぶ浮島のようなもので、その浮遊位置や大きさ・形状が高炉の操業状態に大きく影響する。
 
 最終的に溶融した鉄が炉内を滴下し、最下層の湯だまりにたまり、出銑口から取り出される。

 鉄鉱石中に含まれる不純物(ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムなどの酸化物)も一酸化炭素や水素による還元反応をうけながら溶融して、最後に熔融した鉄の上に鉱滓(スラグ)として浮かぶ。鉱滓は密度が小さく鉄の上に分離して浮かんでおり、鉱滓口から取り出される。
 
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ローラーをかけます。
 
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このようにきれいになりました。
 
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不足の鉄鋼スラグはLOADERで運びます。
 
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こんなにきれいに舗装されました。暑い中、皆様ありがとうございました。
 
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 早速、蝶が集まって何かを(金属イオン?)吸っていました。
 
mlit.go.jp/kowan/recycle/2/07.pdf
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② pH
高炉徐冷スラグのpHは一般に高く、環境庁告示の方法で得た検液のpHは11.3~
12.5である。(「リサイクル環境保全ハンドブック」環境庁)

また、高炉徐冷スラグ路盤材の圧縮強度試験体を透過した水のpHと、圧縮強度後そ
の供試体を重量比10倍の純水に6時間浸漬した水のpHの測定結果を図2.6.4に示す。
これによると透過水の初期値は10前後であったが材令1年のものは8.5前後に低下し
た。水中浸漬では、初期値は11前後であったが材令1年では8.5~10.5となった。

アルカリ性を有した透過水は、水質や土壌に影響を与えることが懸念されるが、我が
国の土壌は一般に酸性土壌であり、アルカリ成分を吸着中和する能力を有している。し
かし、スラグに接して高pHとなった水を排水する場合は、中和等の措置が必要である。
 
 
isc.meiji.ac.jp/~sano/htst/History_of_Technology/History_of_Iron/History_of_Iron_background01
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