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「空気望遠鏡」

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350年前の文献から…「空気望遠鏡」でお月見
 
2014年09月06日 08時31分
 
8日の「中秋の名月」を前に、小岩井農場まきば園(岩手県雫石町)の「まきばの天文館」で6、7日、全長21メートルの空気望遠鏡を使った月の観賞会が開かれる。
 
 元中学校理科教師の斉藤政宏館長(60)が約350年前の文献に載っていた挿絵だけを頼りに一人で作り上げた。
 
斉藤館長は
 
「子どもも大人もワクワクできる夢の時間を体験して」
 
と、参加を呼びかけている。
 
 空気望遠鏡は、通常の望遠鏡の「筒」の部分がなく、両端の接眼・対物レンズの間を、穴の開いた「絞り板」やロープでつないで像を結ぶ。
 
観賞会で使うのは板を使ったもので、
 
「現存する空気望遠鏡としては世界最長」
 
(斉藤さん)という。倍率は200倍で、月面のクレーターを見ることもできる。
 
 斉藤さんは小学生の頃に父親が虫めがねで望遠鏡を作ってくれたのがきっかけで星に興味を持ち、岩手大工学部時代は自ら天文部を立ち上げた。
 
卒業後、県内の中学に理科教諭、教頭として22年間勤務し、45歳のときに小岩井農場の自然指導員として再就職した。
 
 天文館の館長になった2003年、空気望遠鏡の製作に取りかかった。設計図はなく、約350年前のヨーロッパの文献に載っていた挿絵だけが手がかりだった。
 
 大学時代の友人を通じてレンズメーカー久保田光学(花巻市)から接眼・対物レンズを無料で提供してもらい、板や金具はホームセンターで調達した。
 
2年がかりで05年に全長10メートルの1号機が完成したが、二つのレンズをつなぐ板の異なる大きさの穴が一直線にならず、焦点が合わないのが課題だった。
 
 15枚の板の穴をすべて直径15センチにし、2年後に全長21メートルの空気望遠鏡が完成した。小学生の頃からの夢が実現したとき、斉藤さんは53歳だった。
 
 観賞会は10回目で、現在の望遠鏡は07年から使っている。通常の望遠鏡よりも観測はしにくいが、斉藤館長は
 
「350年前の人たちが使っていたものとほぼ同じ望遠鏡で星を見るロマンを感じてほしい」
 
と話している。
 
 観賞会は両日とも午後6時半~8時。料金は大人500円、小学生300円。問い合わせは、小岩井農場まきば園(019・692・4321)へ。(柿沼衣里)

otonanokagaku.net/issue/lab/vol10/
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